ルノー 5ターボ グループBの小さなMRモンスター 未来感溢れるデザインで魅了 ターボ! ブースト!(2)

公開 : 2026.02.21 17:50

動力性能の追求が目的だった「ターボ」 FFハッチバックに四動のラリー・ホモロゲ、RRスポーツまで効果は抜群 技術の恩恵を最も享受したのは日本? UK編集部が各国代表7台のパワーを全開放

全身でブーストを主張する 5 ターボ

この小さなハッチバックほど、全身でブーストを主張するモデルは多くない。ラリー・ホモロゲーションを取得し、少しアンバランスなところが、ひたすらカッコいい。

ルノーは、ターボ技術の発展へ大きく貢献した1社。量産車への採用は世界初でなくても、モータースポーツで威力を知らしめた。サーキットではF1マシンで、グラベルではグループBのモンスターで。

ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)
ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

5 ターボの発表は、1978年のパリ。1.4L直列4気筒エンジンをミドシップするため、シャシーはリアセクションが作り変えられ、後席と荷室は潰されていた。リアサスペンションは、新設計のダブルウイッシュボーンだった。

世界ラリー選手権のトップカテゴリーで戦果を残すのに、ターボの搭載は当然の選択といえた。ルノー・スポールは、3.0L V6や2.0L 直4ユニットも検討したが、5 ゴルディーニに載る1.4Lエンジンは軽く、ターボの過給で2.0Lクラスへ適合できた。

空気抵抗が重視されない軽量ボディ

軽量化を重んじたルノーは、ドアとルーフ、テールゲートにアルミを採用。派手に膨らんだフェンダーとバンパー、ボンネットはFRPで成形された。ウインドウには、薄肉化されたガラスがはめられた。

最高速より悪路での速さを求め、ボディの空力は重視されていない。Cd値は0.45と、通常の5より大きいかわりに、グリップ力とエンジンの冷却能力は引き上げられている。

ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)
ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ギャレット社製のターボにも、冷気は不足なく届けられた。インタークーラーも採用され、公道仕様の最高出力は162ps。グループB仕様では、350psに達したという。

近未来感に溢れ魅力的でしかないデザイン

今回の車両は、リチャード・ヘッド氏が10年以上大切に乗る、オリジナルへ近い1台。ある日のグッドウッド・サーキットで、一目惚れしたらしい。「欲しい気持ちを抑えきれず、これだという1台をイタリアで見つけて、自宅まで運転して連れ帰りました」

「初期の5 ターボで、走行距離は6万km。多くがスクラップになったので、珍しいと思います」。と説明するヘッドは、沢山の人が気に入ってくれると話すが、疑問はない。

ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)
ルノー 5 ターボ(1980~1983年/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ロー&ワイドなプロポーションが個性的。小柄なハッチバックなのに、威圧感は小さくない。インテリアも近未来感に溢れていて、魅力的でしかない。

デザインを手掛けたのは、ベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニ氏。鮮やかなカラーリングと相まって、モダンアートのよう。ブラックの盤面にオレンジの文字が添えられたメーターが並ぶダッシュボードも、5 ターボ2より大胆不敵だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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