フェラーリ出張メンテナンスサービス誕生!顧客とディーラー双方にメリットあり【北海道で実例を取材】

公開 : 2026.02.16 07:25

ふたりの動きは阿吽の呼吸

森下さんがテスターを確認している間に、山中さんは次の作業の準備を行いつつ、タイヤの空気圧をチェック。さらに増し締めを行っていくのだが、ふたりの動きはまさに阿吽の呼吸で感心した。しかし顧客の軒先で行うサービスとして、こういった手際のよさは求められる部分とも言えそうだ。

テスターでのチェックが終わった森下さんは、続いてエアコンのフィルターを交換。さらにエンジンオイルとバッテリーをチェックし、1台目が終了。その後、296GTS、296GTBと順番に作業が続いた。

左から、MID Sapporoの佐野哲也さん、山中俊夫さん、森下翼さん。
左から、MID Sapporoの佐野哲也さん、山中俊夫さん、森下翼さん。    平井大介

作業後に山中さんにお話を伺ったところ、こうしたサービスは以前からやりたいと思っていたので、FMSの話が出てから真っ先に手を上げ、社内で話をしたという。それはもちろん、北海道という地域性が大きく影響している。

例えば今回も札幌から帯広への移動は約3時間を要し、整備のためだけにフェラーリを移動させるのは、自走ではリスクがあり、積載車は費用と手間がかかる。特に積雪の時期は自走も難しく、リスクはさらに高まる。しかし今回のように3台同時に作業できるとなると、往復約6時間かけても移動する価値は大いにあるだろう。

山中さんはFMSがスタートしたことで、本格的にスタートした昨年9月以降、積極的に出動しており、まずは複数台を所有する顧客を対象に、北海道全域をカバーしたいそう。

今回並んでいた8台以外にもフェラーリを複数台所有するというオーナーさんは、MIDが主催するイベントはもちろんのこと、フェラーリ本社が主催するイタリア本国などのイベントに参加するほどのフェラリスタ。

走るのがお好きとのことで、こういったサービスで愛車のコンディションをチェックできることは、かなりのメリットとなるであろう。

もちろん都市部ではサービスセンターに持ち込んだほうが早い、あるいは顧客の自宅に作業スペースがないケースも考えられ、日本全国どこでも即導入すべきサービスではないかもしれない。しかし今回取材したケースは顧客、ディーラー双方にメリットがあり、今後は地方を中心に活用が広がりそうだと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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