SUVのパイオニア、新型『ホンダCR-V』を渡辺敏史が雪上テスト! ハイブリッドと4WDの組み合わせが導く新時代の走り

公開 : 2026.02.27 11:25

アコードと同様、タイで生産されたものを輸入

新型CR-Vはアコードと同様、タイで生産されたものが輸入されるかたちとなるが、静的質感について気になるようなポイントは見受けられない。機能装備面でも他の国内モデルと同様、グーグル・アシスタントベースのホンダ・コネクトを内蔵した9インチタッチパネルディスプレイを標準化。

ADASも上位グレードにホンダ・センシング360を、標準グレードでもほぼフルスペックを搭載するなど、オプション選択の必要がないほどに充実している。それらもあって高めの価格設定も致し方なしかと思うが、それでも同時期に投入された最大のライバルとなるトヨタRAV4の仕様をみると、若干の割高感は否めない。

試乗は北海道にあるホンダの鷹栖プルービンググラウンドが舞台となった。
試乗は北海道にあるホンダの鷹栖プルービンググラウンドが舞台となった。    本田技研工業

その差分を埋め合わせるものとして挙げられるのがパワートレインのフィーリングだ。今回の試乗は発売前、かつ雪上での走りにフォーカスするということで北海道にあるホンダの鷹栖プルービンググラウンドが舞台となったが、モーター走行を基本とするe:HEVの滑らかな走行感は、雪上での微細な発進停止そして加減速においても内燃機主導の銘柄とは一線を画する上質さとして実感できた。

更にいえばCR-Vのe:HEVに搭載される2Lユニットは、それ自身の音、振動も4気筒としては洗練されており、大負荷でエンジンが唸るような場面での興ざめ感も小さくて済む。

そこにノイズ&サウンドをアクティブにコントロールするデバイスも加わることでの、総じての動的質感はCセグメント超え、プレミアム寄りのDセグメントに準ずるところともいえるのではだろうか。

低ミュー路のコーナーでもニュートラルな性格

ライドフィールについては特殊な路面状況ゆえ測りかねるところもあるが、ドライの公道でもこの動的質感に見劣りするようなことはないだろう。そんな新型CR-Vに備わる4WDのダイナミクスもまた、車格に応じてスタビリティをしっかり全面に押し出しつつ、低ミュー路のコーナーでもニュートラルな性格へと躾けられていた。

アクセルを踏んでも簡単にパワーオーバーステアには至らないし、抜いても安易にタックイン状態には陥らない。でも退屈なアンダーステアというわけではなく操作に応じてしっかり曲げていくというキャラクターは、このクルマのクラス感に見合ったものだろう。

CR-Vだけでなく、ZR-V(左)、ヴェゼル(右)も用意。同環境で乗り比べることができた。
CR-Vだけでなく、ZR-V(左)、ヴェゼル(右)も用意。同環境で乗り比べることができた。    本田技研工業

ちなみに試乗では同じ基本システムを持つZR-Vとヴェゼルも同環境で乗り比べることができたが、各々の車格や車重差がきれいに走りに反映されているという印象だ。

ZR-VはCR-Vに比べるとより後軸を積極的に使ってアクティブに曲がっていく性格に躾けられているし、プラットフォームから異なるヴェゼルは別格の軽さも武器に、タックインも積極的に使いながらアクセルのオンオフに車体が機敏に反応する。

回生ブレーキによる減速度調整は機械式ブレーキとは比較にならないほど高精細がゆえ、曲げ方向への微細なきっかけづくりにも大きなプラスとなるわけで、ここにもモーター走行を主とするe:HEVの利は活かされているというわけだ。

ホンダの4WDはオマケ程度という先入観

かねてからFFを主軸としたアーキテクチャーの構成だったこともあり、また自身もかつてのデュアルポンプ式を生活四駆などと称していた時期があったため、それらをもってホンダの4WDはオマケ程度という市場の先入観がある。

でもe:HEV+4WDの組み合わせは、以前とは明らかに異なるパフォーマンスをホンダのクルマたちにもたらした。更に新しいCR-Vは、そこに上質さという新たな個性を加え、立ち位置をホンダSUVの最高峰へとシフトさせようとしているようにも伺えた。

e:HEV+4WDの組み合わせは、以前とは明らかに異なるパフォーマンスをもたらしたと筆者。
e:HEV+4WDの組み合わせは、以前とは明らかに異なるパフォーマンスをもたらしたと筆者。    平井大介

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

新型 ホンダCR-Vの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事