フェラーリ株価暴落前日、イタリア現地取材で思ったこと(後編) 投資家に左右される経営の行方【不定期連載:大谷達也のどこにも書いていない話 #4】
公開 : 2026.03.12 11:45
自分たちの成功を信じて疑わない
いや、投資家たちが何を考えようと勝手との見方も成り立つ。事実、このニュースを耳にしたフェラーリの従業員のなかには「株価が下がったなら、このチャンスに株式を買い増そう」と言い出す強者さえいたほど。言い換えれば、彼らは自分たちの成功を信じて疑わなかったのである。
その一方で、株価が急落すれば、経営陣が戦略の見直しを強いられるというケースもあるはず。しかも、それがこのご時世にBEVの販売台数を上乗せするという『誤った判断』だったとしたら、どうだろう? もしも、この戦略見直しによってこの会社の収益性が悪化したとしたら、いったい誰が責任をとるのだろうか?

もちろん、今後10年間の自動車産業界の動向を予想するのは誰にとっても難しい。私がBEVの成長率を弱含みで予想しているのも、もしかしたら間違いかもしれない。けれども、自動車市場の動向を正しく把握しているとは思えない投資家たちによって自動車メーカーの経営戦略が間違った方向に導かれるとしたら大問題である。
昨今のEU議会による『2035年エンジン車販売禁止法案』の見直しも、間違った市場予測が自動車メーカーを苦境に追いやった好例(悪例?)というべきだ。投資家たちには、正しい情報をベースにした適切な判断を下すように促したい。





























































