Gクラスの技術移植 グレナディア・トライアルマスター・レテック(1) まるでムキムキの特殊部隊 ポータルアクスルって何?
公開 : 2026.03.09 18:05
ポータルアクスルで、能力を更に高めたグレナディア 悪路の走破性は最低地上高が左右する エア圧で接地面積を3倍にすれば12x12? 舗装路での操縦性にも影響なし UK編集部がドイツで試乗
ポータルアクスルを組んだ特別なグレナディア
しばらく前に、グレナディアを提供するイネオス社を取材した時のこと。拳銃と無線機を携え、デザートブーツを履いた特殊部隊らしき人物が、同行したいと申し出てきた。筋肉はムキムキ。最初は、筆者を怪しんだ警備部門のスタッフかと思った。
彼らは、フランスのテロ対策部隊だった。武装車両の選定で同社を訪れ、視察も兼ねて、筆者と一緒に工場を回ることにしたらしい。物々しい装備は、いつでも緊急出動できるよう、勤務中は携えているという。

今回、筆者がやって来たのは、ドイツ・ミュンヘンから1時間ほど離れた採石場。目の前には、リフトアップされワイドなタイヤを履いた、グレナディアが停まっている。標準仕様でもゴツいオフローダーだが、まるで先日の特殊部隊の様に勇ましい。
その名も、グレナディア・トライアルマスター・レテック。メルセデス・ベンツ Gクラスへ、ポータルアクスルを供給するレテック社が、チューニングした特別な1台だ。
ぬかるんだ場所などで効果を生む最低地上高
ポータルアクスルとは、ウニモグも採用するメカニズム。本気度の高い四輪駆動モデルで一般的なリジッドアクスルの場合、スプリングを伸ばしてボディを持ち上げても、ドライブシャフト自体は左右に真っ直ぐ伸び、最低地上高はタイヤの直径に依存する。
ドライブシャフトとホイールハブの間にギアを噛ませ、アクスルより下にホイールを取り付けられるようにしたのが、レテック社が得意とするポータルアクスル。デフの位置が変わり、最低地上高を高められる。ぬかるんだ場所などで、特に効果を発揮する。

同社を率いる、アンドレアス・レナーツ氏が説明する。「ボディへの改造は、許されていません。悪路性能を最大限に高めたクルマを作るため、弊社が持つ技術のすべてを投入しました」。チューニング部品は、どれもボルトオンで実装できるという。
内蔵の減速ギアで走行速度は変わらない
かくして、グレナディアの最低地上高は186mm高められ、トレッドは150mm広がった。そこへ組まれる18インチ・ホイールには、外径37インチのBFグッドリッチKM3マッドテレーン・タイヤが巻かれる。全幅は210mm増しの、2146mmある。
タイヤの外周はだいぶ伸びているが、ポータルアクスルには減速ギアが内蔵され、最終的な走行速度は変わらないのがミソ。変化すると、電子制御システムも調整し直す必要があり、ナンバー登録の再認証も必要になり、対応コストは膨大になる。

トライアルマスター・レテックの場合、ABSやスタビリティ・コントロール、ヒルディセント・コントロールなどのシステムは、標準のまま。もちろん、スピードメーターの表示も正確だ。





















































































































































































