JCWらしい尖った個性が◎ ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマン E ブースト発動で258ps
公開 : 2025.07.03 19:05
3ドアのミニJCWと同パワートレインを積むエースマン登場 ブースト機能の発動で258ps 高速道路で光る安定性 乗り心地は想像より良い JCWらしい尖った個性が好ましい UK編集部が試乗
もくじ
ー3ドアのJCWエレクトリックと同パワートレイン
ーパドルでブースト機能を発動すれば258ps
ー高速道路で光る安定性 乗り心地は想像より良い
ー航続距離は市街地ならカタログ値へ迫れる
ーJCWらしい尖った個性 もう少し快適でもイイ
ーミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマン E(英国仕様)のスペック
3ドアのJCWエレクトリックと同パワートレイン
「初めての道でも、自信を持って運転できます」。ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン Eのヘッドアップ・ディスプレイへ、不意に表示されたメッセージだ。ミニのルーツ、英国オックスフォード流の、丁寧な自己紹介なのかもしれない。
そんな主張は、的外れではないだろう。パワートレインは、3ドア・ハッチバックのミニJCW エレクトリックと同じ。258psの駆動用モーターを積み、0-100km/h加速を6.4秒でこなせる。心細くなる数字ではない。

ボディにはJCWのロゴが散りばめられ、サイドスカートとディフューザー、リアスポイラーで凄みを利かせている。アルミホイールは19インチ。その間からチラ見えするブレーキキャリパーは、レッドで塗装される。
ただし、通常のエースマンでもJCWスタイリング・パッケージは選択可能。その場合、本物のJCWエースマン Eと殆ど見分けがつかなくなる。
パドルでブースト機能を発動すれば258ps
車内は、レッドとブラックのアクセントでスポーティな雰囲気を演出。スポーツシートの座面は高めで姿勢は置き気味だが、前方は見渡しやすい。インテリアデザイン自体は、通常のエースマンと変わりない。
ダッシュボード中央には、直径24cmのインフォテインメント用モニター。アップル・カープレイとアンドロイド・オートは、無線で利用できる。エアコンなど多くの車載機能は、このタッチモニターへ集約されている。

ライバルより個性的なデザインが、自然と気持ちを盛り上げる。シートヒーターとヘッドアップ・ディスプレイは、レベル1以上のオプションだ。
ステアリングホイール裏の左側には、ブースト機能を発動するパドル。ドライブモードがJCWなら10秒間だけ、他のモードより27psが上乗せされる。最高出力の258psを引き出す、唯一の方法となる。
高速道路で光る安定性 乗り心地は想像より良い
とはいえJCWエースマン Eは、258psを開放せずとも充分に速い。ブースト機能を使えば発進加速が1段鋭くなるものの、通常のままでも高速道路の追い越しでヤキモキすることはないはず。100km/hを超えると、速度上昇が鈍りだすとしても。
滑らかな路面でのグリップ力は充分で、高速道路では安定性が光る。一方、荒れたアスファルトではフロントタイヤが悶え、トルクステアに見舞われる。ペダルの踏み心地にはもう少しコシが欲しいが、ブレーキは強力で制動力を調整しやすい。

ステアリングのレシオに変更はなく、さほどクイックではない。切り込んでいくと、不安定さが顔を出すことも。操縦性の懐が深いとはいえないだろう。
乗り心地は、49.2kWhの駆動用バッテリーの重量が貢献し、JCWの3文字へ想像するほどは悪くない。サスペンションは専用チューニングになるが、通常のエースマンと比較して、明らかに硬いわけではない様子。快適とは表現できないけれど。