御年123歳のフランス車 グラディエーター 10HP(1) 自転車から自動車へ 風雨を遮るものはないに等しい

公開 : 2026.05.10 17:45

排気量1703ccの水冷2気筒エンジン

グラディエーター 10HPの技術に、画期的と呼べる部分はない。アスター・エンジンは水冷2気筒で、シリンダーはボアが88mm、ストロークが140mm。フロントシート下部の燃料タンクから1基のキャブレターへ、重力を利用してガソリンは供給される。

排気量1703ccのエンジンは、驚くことにオリジナル。しかし、点火系は信頼性と円滑性を求めて、これまでに手が加えられている。点火プラグは、1気筒に2本。始動時はスパーキングコイルで、走行中はモーターサイクル用マグネトーで、点火される。

グラディエーター 10HP リア・エントランス・トノー(1902~1903年/英国仕様)
グラディエーター 10HP リア・エントランス・トノー(1902~1903年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

エンジンのフライホイールを介してポンプが駆動され、冷却水はリア側のタンクとラジエターを循環。ダッシュボード上には、水圧を知らせるメーターが備わる。

風雨を遮るものはないに等しい

フロアパネルを持ち上げると、グラディエーターと刻印されたトランスミッションが姿を表す。前進4速に加えて、しっかり後退用の1速も備わる。実際はル・モワンヌ社製ユニットで、リアデフと一体化されているのが特徴だろう。

最高出力は10psで、左右それぞれのタイヤへチェーンで伝達。運転席側のポンプで、チェーン・ベアリングは潤滑できる。サスペンションは、前後ともリーフスプリングだ。

グラディエーター 10HP リア・エントランス・トノー(1902~1903年/英国仕様)
グラディエーター 10HP リア・エントランス・トノー(1902~1903年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

堂々とした4シーターボディは、1950年に職人によって再現されたものだが、オリジナルへ忠実。「リア・エントランス」という名が示すとおり、レザー張りのリアシートには、背面の小さなドアからアクセスする。

前席のベンチシートより、後席の方が座面は高い。フロントガラスも含めて、風雨を遮るものはないに等しい。

この続きは、グラディエーター 10HP(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

グラディエーター 10HPの前後関係

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