大幅イメチェン シトロエンC5 エアクロス(1) 空力重視の新ボディ HV/EVのハード概説

公開 : 2025.11.04 19:05

印象を一新した2代目C5 エアクロス 空力重視の新ボディは先代より拡大 特別感ある内装にゆとりの後席 日常的には滑らかなHV 洗練度の高いEVも 高速はしっとり心地良い UK編集部が試乗

大幅に印象チェンジ 1クラス上の大きさ

初代から大幅に印象を変えてきた、2代目シトロエンC5 エアクロス。入念な市場調査を経て、大きなC3 エアクロスではなく、より広く豪華な、フラッグシップらしいシトロエンへ仕上げられたようだ。

プラットフォームは、プジョー3008などが採用するステランティス・グループのSTLAミディアム。2種のハイブリッドか、e-C5としてバッテリーEVも選択できる。

シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)

サスペンションは、シトロエンがアドバンスド・コンフォートと呼ぶ、快適性を追求したもの。油圧バンプストッパー付きで、HV版はリアがトーションビーム式、EV版はマルチシンク式となる。

サイズは全長4652mm、全幅1902mm、全高1660mmと、先代から160mm長く、50mm広くなった。Cセグメントに属するクロスオーバーだが、1つ上のDセグメントへ大きさは近い。ホイールベースは60mm伸び、ゆとりある車内空間に貢献している。

空力重視の新ボディ シャープな目つきに

スタイリングは、パワートレイン問わず共通で、エネルギー効率を求めて空力特性が重視された。シトロエンによれば、同等の電動パワートレインで走らせた場合、先代から航続距離は28kmほど伸びたそうだ。

アイスキューブと呼ばれる細いヘッドライトは、マトリックスLED。新しいC3 エアクロスよりシャープな目つきで、引き締まった表情を得ている。先代より個性も強い。

シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)

シルエットは直線的な2ボックスで、2024年にお披露目された、コンセプトカーの印象を巧みに継承する。ただし、シトロエンへ期待するほど、大胆で記憶に残るフォルムではないかもしれない。

ゆとりの後席 座り心地の良いシート

開発時にユーザーから寄せられた要望で重視されたのが、後席の空間。実際に座ってみると、膝前にも頭上にも、充分な余地が残されている。中級以上のグレードを選べば、背もたれの角度を調整できる。

シートも特長。肉厚なフォーム材が用いられ、座り心地の良さに関心する。トップグレードにはヒーターとベンチレーションが内蔵され、サイドボルスターも調整できる。

シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)
シトロエンC5 エアクロス・プラグイン・ハイブリッド・マックス(欧州仕様)

ボディの成長に伴い、荷室も拡大した。パワートレインを問わず、通常の容量は651L。40:20:40の分割で倒せる後席を畳めば、2000L近い大空間を確保できる。ただし、テールゲートの開口部はやや狭めだ。

パノラミック・ガラスルーフはオプション。リア側のウインドウが小さめで、車内を効果的に明るくしてくれる。後方の視界は、あまり良くない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

シトロエンC5 エアクロスの前後関係

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