シトロエン初のSUV『C5エアクロス』が第二世代に進化! 心地よい室内で感じた、抜群の直進性と穏やかな乗り心地【森口将之が解析】

公開 : 2026.06.03 11:45

あちこちにひと手間かけている

インテリアもなかなか凝っている。インパネやドアトリムにファブリックを用いてシトロエンらしい親しみやすさを出しつつ、滝が流れ落ちるようなセンターコンソール、フローティングしているようなドアのアームレストなど、あちこちにひと手間かけている。

昔ながらのカッコよさではなく、新しいカッコよさを探求している姿勢が伝わってくるし、他とは違う価値観を示し、ユーザーを驚かせようというクリエイティビティはシトロエンそのものだ。

あちこちにひと手間かけていると思わせる、凝ったデザインのインテリア。
あちこちにひと手間かけていると思わせる、凝ったデザインのインテリア。    平井大介

シートは座面および背もたれの下半分が人工皮革、上半分がファブリックで、サイズは大きめ。最近のシトロエンではお馴染みの『アドバンストコンフォートシート』ということもあって、座り心地は優しく、フランス車であることを実感できる。

リアはホイールベースが60mm伸びて2790mmになったおかげもあり、身長170cmの僕なら楽に足が組める。高めに座るので見晴らしが良いし、座り心地も安楽。その後ろのラゲッジスペースは565Lという大容量なので、フランスの夏のバカンスにも対応できそうだ。

見た目から想像するほど重くない

前にも書いたように、パワーユニットは1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッド。ただ車両重量は1630kgと、見た目から想像するほど重くないし、これより重量級のプジョー5008も不満なく動かしていたので、力不足だとは感じなかった。

インポーターによれば、STLAミディアムプラットフォームはかなり剛性が高く、先代と同じPHCを用いているものの、乗り心地はあそこまでふんわりはしていないとのこと。確かに低速では225/55R19というサイズのタイヤの硬さを感じる。でも速度を上げていくと独特の揺れが健在であることが確認できた。

パワーユニットは1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載。
パワーユニットは1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載。    平井大介

直進性はシトロエンの伝統どおり最上級だし、コーナーで前輪駆動らしさを伝えてくるところもこのブランドらしい。もうひとつ印象的だったのはオーディオで、DS No8のフォーカルのようなハイスペックではないものの、音が良い。

これもまた正真正銘のシトロエン

内装の写真を見てもらうと、インパネ両端が手前に出っ張っていることがわかるだろう。ドアを開けたときにその裏を見たら、音符マークがあった。この中にスピーカーが埋め込まれているのかもしれない。

心地よいサウンドに耳を傾けながら、抜群の直進性、穏やかな乗り心地に身を委ねていると、これもまた正真正銘のシトロエンだと思えてきた。

価格は取材車の『マックス』が570万円、装備の異なる『プラス』が535万円となる。
価格は取材車の『マックス』が570万円、装備の異なる『プラス』が535万円となる。    平井大介

シトロエンは第二次世界大戦前、ハーフトラックを使ってアフリカやアジアの冒険旅行を敢行した。C5エアクロスでの巡航は、そんなシーンを連想させるのだ。試乗した『マックス』グレードはオールシーズンタイヤやグリップコントロール、ヒルディセントコントロールを備えているので、そこそこの冒険は行けるのでは? という気にさせてくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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