美貌を濁すリアシート追加 ジャガーEタイプ & ロータス・エラン『+2』モデル(1) 2シーターへ迫る加速 高級路線狙ったチャップマン

公開 : 2026.06.21 17:45

驚くべき性能のコンパクト・グランドツアラー

他方、ロータスエラン +2を生み出すに当たり、代表のコーリン・チャップマンはEタイプ 2+2を意識していたはず。アルファ・ロメオ・スプリントGTなど、より小柄なクーペがライバルだったとしても。

事業提携について会談するため、1963年頃にジャガーを訪れたチャップマンは、リアシートが追加されたEタイプの試作車を目撃していたかもしれない。また彼は、ひと回り大きいエランへ、V8エンジンを積むアイデアにも関心を寄せていた。

ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)
ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

果たして1967年に発売されたエラン +2は、119psの最高出力で201km/hの最高速度という、驚くべき性能のコンパクト・グランドツアラーだった。ブランドでは初めて、発売初年度から1000台をラインオフするという、成功も掴んでいる。

チャップマンの読みは正しかった。ロータスを所有したいと願う、家族持ちドライバーに、4シーターのエランは確かに響いた。300ポンド安価な、キットカーも提供された。

高級路線を狙ったチャップマンの意向

ツインカムの4気筒エンジンは、ピストンや排気ポート、キャブレターの改良で高出力化。0-100km/h加速を8.2秒で処理しつつ、燃費にも優れていた。スプリングとダンパーは引き締められ、ワイドなタイヤも履いていた。

全長は、2シーター版から約580mmも延長されたが、全高は25mmの増加に留められた。サイドシルにスチール製の補強材が仕込まれ、FRP製ボディの剛性を確保。少し我慢すれば、身長180cmの大人がリアシートに座ることもできた。

ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)
ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

フロントガラスは、フォード・コンサル・カプリ譲り。フロントバンパーはフォード・アングリア用、リアバンパーはウーズレー・ホーネット用を、加工して組んである。

従来のロータスより、エラン +2は一般的な量産車へ近く、高級路線を狙ったチャップマンの意向を表していた。ホイールベースを約300mm伸ばしたシャシーと、約180mm広いボディをベースに、コンバーチブルやステーションワゴンも構想されていたとか。

この続きは、ジャガーEタイプ 2+2 / ロータス・エラン +2(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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