【レーシングドライバー塚本ナナミのスーパー耐久参戦記】第3回:トップから一転、夜のクラッシュ 富士24時間で味わった一番苦い経験

公開 : 2026.06.18 17:05

死角を忘れないで――苦い経験を皆さんへ

ところが、最悪の事態が起きました。

5速全開の300Rから下りのダンロップコーナーへ向かう区間で、上位クラスのマシンと接触したのです。

レーシングアクシデントで先方にペナルティが課せられたとはいえ、ハンドルを握っていた私の責任は重く、とても反省の残る一戦でした。
レーシングアクシデントで先方にペナルティが課せられたとはいえ、ハンドルを握っていた私の責任は重く、とても反省の残る一戦でした。    佐々木純也

いろいろなクラスのクルマが一度にコーナーへ入る混雑したタイミングで、ちょうど死角に入っていた上位クラスの姿を捉えきれず、アウト側から来た後続車と接触してしまいました。

マシンは大きく飛ばされ、深刻な破損に。メカニックたちが懸命に修復を試みてくれましたが、安全を確保できず822号車はリタイア。15年以上のドライバー人生で、一番苦いクラッシュでした。私がステアリングを握る中で起きたことに、強い責任を感じています。

それでも救いがありました。2台体制のもう1台、821号車が悪い空気を引きずらず追い上げ、なんとクラス準優勝。チームに心から感謝しています。

実はこの接触、皆さんの日常にも起こり得ます。高速道路の車線変更同士の事故も、死角とタイミングが重なって起きるもの。「ミラーに映らなくても、死角に車がいるかもしれない」――そんな気持ちで、一般道もサーキットも走らなければいけないと改めて思いました。私の苦い経験が、皆さんの安全運転のお手本になりますように正直に書きました。

気持ちを切り替えて、第3戦を頑張ります。次は7月4日、スポーツランドSUGO。お近くの方は、ぜひサーキットへ遊びに来てください。

第3戦 富士24時間スーパー耐久 AndLegal Racing 822号車リザルト

順位:リタイア/タイム:7:39’47.953/ラップ:204
クラス:ST-5F/カーナンバー:822/チーム:AndLegal Racing/マシン:アンドリーガル ドリフトスピリッツ Moty’s FIT/ドライバー:塚本ナナミ、川福健太、惠木勇哉、奈良敬志、前田貴行、巳ノ瀬健太

身体はその後も痛みはなく、診察でも問題ありませんでしたので、ご安心ください。
身体はその後も痛みはなく、診察でも問題ありませんでしたので、ご安心ください。    佐々木純也

記事に関わった人々

  • 執筆

    塚本ナナミ

    Nanami Tsukamoto

    ブラジル・サンパウロ生まれ、山梨育ち。やまなし大使を務めるレーシングドライバー。GAZOO 86/BRZレースで経験を積み、2015年にはポルシェカレラカップジャパンで年間チームチャンピオンを獲得した。海外ではニュルブルクリンクVLN耐久レースに加え、アメリカ、タイ、インドネシアでのドリフト競技にも参戦。競技の最前線で培った知見をもとに、自動車メーカーと連携した女性向けの脱ペーパードライバー講習や企業向けドライビング講習を行うほか、ゲームやアニメを活用し、運転する楽しさと交通安全の大切さを伝える活動にも取り組んでいる。

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