なぜマツダ・ロードスターではなく『アバルト124スパイダー』を買ったのか? 英国在住オーナーに聞く 細部のセンスといくつかの欠点

公開 : 2026.07.19 11:45

イタリアらしい細部のセンス

カルロさんは2022年、走行距離2万1700kmでこのクルマを購入した。現在、走行距離は4万8000kmに達しているが、これまでに何の問題も起きていない。

「トラブルは一度もありませんが、4万8000kmを過ぎるとスフェリカルブッシュが劣化し始める可能性があると聞いているので、気を付けてはいます」

カルロ・ドーレさんのアバルト124スパイダー。イタリア国旗の下に図面とシャシー番号、ユニオンジャックが描かれている。
カルロ・ドーレさんのアバルト124スパイダー。イタリア国旗の下に図面とシャシー番号、ユニオンジャックが描かれている。    AUTOCAR

また、不慮の破損にも注意している。ボディパネルやライトなどは124スパイダー専用部品であり、生産台数が比較的少なく、生産期間も短かった(2016~2019年)ため、交換部品の調達が難しい場合がある。こうした事情は保険料にも影響を及ぼしている。

「機械部品やマツダと共通の部品が問題ないのは分かっていますが、ヘッドライトやフェンダーなどの部品は入手が難しく、届くまでに長い時間がかかることもあります。そのため、(英国の)保険会社は124スパイダーを修理するよりも、安易に全損扱いにしてしまうのです」

カルロさんは2回くらい、シートの間に取り付けられたアルミ製プレートを確かめるよう筆者に勧めてきた。最初は何がそんなにすごいのか分からなかったが、よく見てみると、「Vettura No.207」(車番207)という文字とユニオンジャックの上に、このクルマの透視図が描かれていることに気づいた。

「こういうディテールが気に入っているんです。このクルマがさらに特別なものに感じられますから」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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