前輪駆動ホットハッチ前夜 フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(1) 手頃なラリー・レプリカたち
公開 : 2026.08.02 17:45
きっかけを与えれば自然にテールスライド
2.3Lエンジンを始動させ、アクセルペダルを傾けると、キャブレターが意欲的な吸気音を奏でる。1速は、左下のドッグレッグパターン。発進はやや重く、3000rpm前後にトルクの谷があるが、遠慮なしにエンジンを回せば本来の活発さが顕になる。
今回の中では最も素早くシフトレバーを倒せ、中域以上での加速力は弾けるよう。ツインカムらしい咆哮を放ちながら、5800rpmのレッドラインまで一気に回る。思い切り操ることで、一体感が増していく。

姿勢制御の締まり具合は、3台では真ん中。トーヨー・プロクセス・タイヤが、圧巻なフロントのグリップ力を生み出す。一方でリアは、きっかけを与えれば自然にスライド。手に負えなくなることはない。
ステアリングにアシストはなく、速度が増すほど重みも増える。レシオはクイックな側にあるが、フィードバックは限定的といえる。それでも林道へ紛れ込めば、気分はラリーステージ。タルボやフォード以上の、劇場感へ夢中になれる。
ラリーの精神を継いだ特別仕様
他方、フォードがエスコート Mk2でホモロゲ仕様としたのは、RS1800。1975年から英国RACラリーで連勝を重ね、1979年にはWRCドライバーズ・タイトルをビョルン・ワルデガルド氏へ掴ませている。
エスコート RS2000は、そのラリーの精神を継いだ特別仕様。RS1800のアグレッシブなコスワースBDAユニットではなく、手懐けやすいピント・ユニットでも、強い不満を呼ぶことはなかった。実際、1980年までの5年間に約1万台が提供されている。

エンジンは2.0LのSOHCで、最高出力は111ps。標準はウェーバーのシングルキャブレターだが、オプションでツインキャブにすることもできた。4速MTを駆使すれば、0-97km/h加速は8.6秒、最高速度は177km/hで、シェベット HSへ迫った。
サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後ろがリジットアクスルで、標準のエスコートと同等。安定性を高めるため、リアにラジアスアームが組まれている。
この続きは、フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(2)にて。
画像 ラリーレプリカ エスコート RS2000 シェベット HS サンビーム・ロータス 同時期のハッチバックたち 全117枚
























































































































