チェリーやオートバックスを前面に出さない理由とは 新たな自動車会社『EMT』打越CMO単独インタビュー(後編) 自動車メーカーでもインポーターでもない

公開 : 2026.08.13 11:50

『チェリーが作ったクルマ』ではない

個人的に気になっていたのは、前編冒頭に書いたように、先月の事業・ブランド発表会では、チェリーやオートバックスといった有名企業が関わっているにもかかわらず、これらの会社をあまり前面に出していなかったことだ。

日本のマーケットは超という文字をつけても差し支えないほど保守的なので、認知度のある名前を出した方が信頼につながるように思えた。

飾らない言葉で今後の展望を語る打越CMO(左)と筆者(森口将之)。
飾らない言葉で今後の展望を語る打越CMO(左)と筆者(森口将之)。    中島仁菜

この点については、オートバックスの店舗は全国に約600あり、ここでサービスが受けられるということは、日本の中堅自動車メーカー並みのサービスネットワークをいきなり構築できることになるので、そのメリットは明確に示していきたいとしつつ、次のように答えた。

「『オートバックスが作ったクルマ』や『チェリーが作ったクルマ』という表現は、事実とは異なります。我々としては、あくまでEMTという会社がエムタというブランドを立ち上げ、自らクルマを開発しているという軸を、ブレずにお客様へ丁寧にコミュニケーションしていきたいと考えています」

打越氏によれば、これまでは自動車メーカーとインポーターというふたつの選択肢しか存在しなかったので、「EMTはどちらに入るのか」と当てはめて捉えようとする人が多いとのこと。ここでチェリーの名前が前面に出すぎてしまうと、既存の輸入車と同じ構造と解釈されてしまうリスクもある。

EMTはどちらでもない。新しいビジネスモデルに挑戦し、これまでにない価値を提供していくことをミッションとしている。

険しい道のりになるかもしれないが、その姿勢は貫いていきたいとのことだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    中島仁菜

    Nina Nakajima

    幅広いジャンルを手がける広告制作会社のカメラマンとして広告やメディアの世界で経験を積み、その後フリーランスとして独立。被写体やジャンルを限定することなく活動し、特にアパレルや自動車関係に対しては、常に自分らしい目線、テイストを心がけて撮影に臨む。近年は企業ウェブサイトの撮影ディレクションにも携わるなど、新しい世界へも挑戦中。そんな、クリエイティブな活動に奔走しながらにして、毎晩の晩酌と、YouTubeでのラッコ鑑賞は活力を維持するために欠かせない。

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