【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#38 フロアMTの魔力!B210サニークーペ

公開 : 2026.08.07 12:05

とにかく全開! ひたすら全開!

免許取得当日の夜。彼女のいない私は、妹を助手席に乗せて首都高に突入した。1980年当時の教習所はまだ高速教習もなかったから、高速道路を走ったのはそれが最初だった。

首都高は複雑すぎてまったくワケがわからず、死ぬかと思った。妹はもっと怖い思いをしただろう。ごめんなさい。

私がカーマニアになったのは、あのサニークーペが原因だ!
私がカーマニアになったのは、あのサニークーペが原因だ!    日産自動車

しかしその後、関越や東名など普通の高速道路を知って、私は狂った。直線番長のスピード狂になったのである。

サニーで高速道路を走ると、アクセルを床まで踏みつけないと気が済まない。とにかく全開! ひたすら全開! コーナリングがどうこうみたいな難しいことは一切頭になく、高速道路の直線を見ると血が騒ぎ、狂ったようにアクセルを踏み込んだ。

私がカーマニアになったのは、あのサニークーペが原因だ。サニーは最後までカッコ悪かったし、愛情みたいなものは芽生えなかったけど、あのクルマが私に、アクセル全開の快楽を教え込んだ。

それは決してサニークーペの魔力とかではなく、あえて言えば、『フロアMTの魔力』だったかもしれない。うお~ん。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は8月21日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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