ソフトトップは感服の設計水準 フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(1) 640psのV8にレース・モード 最も肩肘張らずに乗れる

公開 : 2026.08.17 18:05

フェルスタッペンが好むであろうシャープな反応

つまり、コンフォート・モード時はソフトへ、レース・モード時はハードへ、より明確に変化する。ステアリングには、アルマイト仕上げのマネッティーノ・ダイヤル。その角度を問わず、奥へ押し込めば、最も柔らかいバンピーロード・モードを呼び出せる。

ソフト側にあるアマルフィ・スパイダーは印象的にしなやかで、ロードノイズは最小限。シートはホールド性に優れ、グランドツアラーとしての素養は極めて高い。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)

そして、うっかり筆者も油断してしまった。緩く弧を描く高速道路を降り、ランプレーンへ侵入。ステアリングも、コンフォート・モードらしい優しい特性にあると思い込んでいた。大きめに手首をひねると、予想を超えてフロントノーズが内側へ食い込む。

F1ドライバー、マックス・フェルスタッペン氏が好むであろう、シャープな反応で我に返る。電動パワーステアリングの設定は、ローマ時代と変わらない。

覚悟と技術が必要でも得られる充足度は高い

ステアリングホイールへ僅かに角度を与えるだけで、パワードームが見える長いボンネットは、吸い込まれるように向きを転じる。この鮮烈なレスポンスを楽しめるかどうかで、アマルフィ・スパイダーとの暮らしの喜びは、左右されるだろう。

ポルシェ911 GTSカブリオレのステアリングは、より穏やかでナチュラル。カーブ中央を過ぎて加速へ映る場面で、サスペンションの動きを味わえる魅力も伴う。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)

アマルフィ・スパイダーの操舵感は、最近のフェラーリらしく刺激的で、味付けはやや人工的。エンジンがボディ中央寄りなレイアウトを、活かし切ろうという考えがある。乗りこなすには、ある程度の覚悟と技術が求められるが、得られる充足度も高い。

肝心な走りの印象とスペックは、フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダーの前後関係

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