アルピナ創業家の新会社『ボーフェンジーペン』 ブランド売却の経緯と今後の展開 なぜ「Mモデル」ベースなのか?

公開 : 2026.08.27 07:05

利益を出すのは容易ではない

ブッフローエ工場では、年間100台の生産能力がある。つまり、アルピナ車よりも希少価値が高くなり、価格も高くなるということだ。実際、05 GTはM5よりも4万4000ポンド(約950万円)高い価格設定となっている。

しかしボーフェンジーペン氏は、この価格帯であっても、M5をより洗練させた繊細なモデルに対する需要は十分にあると考えている。もちろん、パワーも重要だ。彼は、この点において05 GTがベース車よりも優れていることを明らかに喜んでいる。

ボーフェンジーペン・ザガート
ボーフェンジーペン・ザガート

ザガートに32万ポンド(約6940万円)という価格が付けられたことにも眉をひそめる声はあるが、これは単に現実の厳しさを反映したに過ぎない。

「信じられないでしょうが、ザガートで利益を上げるのは、アルピナB5のようなモデルと同じくらい難しい。400点以上の新規部品と、最大400時間の組み立て作業が必要だからです。さらに開発コストがあり、それを99台で分担しなければなりません。採算は厳しいのです」

自動車業界は昔からそういうものだった。だが、現代において非常に好感の持てる会社の1つが、名前こそ変わっても、その精神を受け継いでいると知るのは嬉しいことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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