知っておきたい、新型『メルセデス・ベンツCLA』に採用された最新技術 ドイツのエキスパートが安全技術、電動パワートレイン、ソフトウエアを解説

公開 : 2026.08.27 11:25

新しい電動ドライブプラットフォームを採用

続いて『電動パワートレイン』について解説してくれたのは、システム開発担当のアレクサンダー・アスパッハー氏。

CLAウィズEQテクノロジーは、2022年に発表されたコンセプトカー『ビジョンEQXX』に用いられた800Vアーキテクチャーの新しい電動ドライブプラットフォームを採用している。これは新型GLCCクラスも同様となる、床下に高電圧バッテリーを配し、リアに2速トランスミッションを備えた電動ドライブユニットを搭載するRWDだ。本国仕様ではフロントにも搭載した4WDが設定されている。

電動パワートレインについて解説するアレクサンダー・アスパッハー氏。
電動パワートレインについて解説するアレクサンダー・アスパッハー氏。    メルセデス・ベンツ日本

2速トランスミッションの1速は110km/hまで対応可能だが、主に発進時や市街地走行における扱いやすさと力強い加速に寄与し、2速は高速走行時の効率性を快適性を高める。

現在のクルマはこれまで以上に効率が求められているが、CLAウィズEQテクノロジーの場合、前述の高効率電動ドライブユニット、空力性能、低転がり抵抗のタイヤ、高い熱効率の空調システム、そしてワンボックスブレーキシステムなどで効率を向上させている。

細部まで空力最適化を図りCd値=0.21を実現

電気自動車では車速が高まるほど空力による消費電力の消失が大きくなる。それゆえCLAでは、フロントノーズやドアミラー形状、ラジエターシャッター、格納式ドアハンドル、キャビン後端からトランクリッドに駆けての形状最適化、そしてホイールのデザインなど、細部まで空力最適化を図り、Cd値=0.21を実現した。

また、ボディ下面もフロントバンパーからリアバンパーまで滑らかで全面的にカバーされたアンダーボディを採用している。

新型CLAは800Vアーキテクチャーの新しい電動ドライブプラットフォームを採用。
新型CLAは800Vアーキテクチャーの新しい電動ドライブプラットフォームを採用。    メルセデス・ベンツ日本

電動車ならではの回生ブレーキには、従来は別々に構成されていたブレーキブースター、マスターシリンダー、ESP制御などをコンパクトなモジュールに統合した『ワンボックスブレーキシステム』を採用。

これは、いわゆるワンペダル走行が可能で、ほとんどの走行をアクセルペダルのみで操作でき、しかも完全停止まで可能だ。

回生の度合いはD(通常回生)、D-(強回生)、D+(回生なし:コースティング)、Dオート(インテリジェント回生:自動、先読み走行)が設定できる。

新型Sクラスから採用された『MB.OS』

最後に『ソフトウェア』を解説するのは、車両開発やソフトウエア開発における重要な戦略端的役割を担当しているミヒャエル・ヴォルヴェーバー氏。以前は『MB.OS』の戦略プロジェクトにも従事していた。

新型Sクラスから採用されたMB.OSは、メルセデス・ベンツが自社開発したオペレーティングシステムだ。車両に深く統合されたチップtoクラウドアーキテクチャーが、1:インフォテインメント、2:自動運転(運転支援)、3:ボディ&コンフォート、4:ドライビング&チャージングという4つの領域を統合的に制御する。

ソフトウェアについて解説するミヒャエル・ヴォルヴェーバー氏。
ソフトウェアについて解説するミヒャエル・ヴォルヴェーバー氏。    メルセデス・ベンツ日本

これにより、主要な車両ソフトウエアはOTA(オーバー・ジ・エア)でアップデートすることができる、CLAウィズEQテクノロジーはSDV(ソフトウエア・ディファインド・ビークル)なのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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