BMW iX3/メルセデス・ベンツ GLC エレクトリック/ボルボEX60(2) コンフォート寄りかスポーティ寄りか 競争を前進させる新世代

公開 : 2026.09.16 18:10

快適性を追求するならスムーズなEX60

EX60はP10グレードで、スチールスプリングとアダプティブダンパーのセット。車内ノイズの小ささはGLCへ匹敵しつつ、乗り心地は路面を問わず一層スムーズ。快適性を追求するなら、こちらに軍配は上がる。シートの座り心地も、出色だろう。

操縦性はボルボらしく安定志向ながら、その特性は強め。トラクション・コントロールは唐突にパワーを絞り、ステアリングの感触は人工的といえる。充分にタイヤは路面を捉え、シャシーバランスの良さも滲ませるが、どこか前時代的な印象も漂う。

手前からボルボEX60と、BMW iX3、メルセデス・ベンツ GLC エレクトリック
手前からボルボEX60と、BMW iX3、メルセデス・ベンツ GLC エレクトリック    マックス・エドレストン(Max Edleston)

GLCは、普段の道でスポーティさを楽しめるiX3と、快適性重視のEX60の中間といえる。ボディの重さを感じさせるものの、ステアリングには豊富な情報も伝わってくる。

運転支援システムは、iX3とEX60が極めて有能。車線維持支援は、本当に必要な場面以外介入せず、制限速度警告は簡単にオフにでき、アダプティブ・クルコンの制御にも信頼を置ける。GLCも悪くないが、お節介に感じられる場面もゼロではない。

電動SUVの競争を確実に前進させる新世代

今回の3台は、バッテリーEV技術の最先端を突っ走るメーカーによる、最新モデル。いずれも秀でた完成度でありつつ、しっかり個性があることがうれしい。

実用性で選ぶなら、GLCかEX60だろう。車内空間にはゆとりがあり、乗り心地も安楽だ。運転支援システムの完成度も踏まえるなら、後者の方が1歩リードといえるが。

右からBMW iX3と、ボルボEX60、メルセデス・ベンツ GLC エレクトリック
右からBMW iX3と、ボルボEX60、メルセデス・ベンツ GLC エレクトリック    マックス・エドレストン(Max Edleston)

かくして、総合力で頂点に輝くのはiX3。航続距離は2台を圧倒し、急速充電速度も速く、運転の充足度は高い。快適性も、納得できる水準にある。内装の質感では届かないかもしれないが、電動SUVの競争を確実に前進させる新世代だ。

最新のDセグメント電動SUV 3台のスペック

BMW iX3 50 xドライブ(英国仕様)

英国価格:6万9755ポンド(約1500万円/試乗車)
全長:4782mm
全幅:1895mm
全高:1635mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.9秒
航続距離:791km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2285kg
パワートレイン:非同期モーター(前)+他励同期モーター(後)
駆動用バッテリー:108.7kWh(NMC)
急速充電能力:400kW(DC)
最高出力:468ps(システム総合)
最大トルク:65.6kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動

メルセデス・ベンツ GLC 400 4マティック・エレクトリック(英国仕様)

英国価格:7万6100ポンド(約1636万円/試乗車)
全長:4845mm
全幅:1913mm
全高:1644mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.3秒
航続距離:637km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2645kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:94.0kWh(NMC)
急速充電能力:330kW(DC)
最高出力:490ps(システム総合)
最大トルク:81.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(前)+2速オートマティック(後)/四輪駆動

ボルボEX60 P10 AWD(英国仕様)

ボルボEX60 P10 AWD(英国仕様)
ボルボEX60 P10 AWD(英国仕様)

英国価格:6万7845ポンド(約1459万円/試乗車)
全長:4803mm
全幅:1908mm
全高:1635mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.4秒
航続距離:648km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2275kg
パワートレイン:非同期モーター(前)+永久磁石同期モーター(後)
駆動用バッテリー:92.0kWh(NMC)
急速充電能力:370kW(DC)
最高出力:510ps(システム総合)
最大トルク:72.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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