大きなSUVに経済性を求めるならば、ディーゼル一択なのだろうか? 実はそうではない。このページではBMW X5とボルボXC90のPHEVを比較する。

見晴らしのよさと内装の広さ。広々とした足元に、後席用のテーブル。ラグジュアリーSUVを買う向きにとって、‘ブランド・パワー’ 以外の付加価値を求めるのは自然な流れだが、近年は数値も重要視するようになった。

この傾向が強まったのは2年前、ポルシェがカイエンS E-ハイブリッドを投入し、さらに昨年末にメルセデス・ベンツがGLE 500eが加わったからだ。その後一斉にボルボ、BMW、アウディがPHEVのSUVを投じてきた。

最初こそニッチ中のニッチ・モデルだったが、あっという間にカテゴリーが確立され、クルマはよくなり、もっと興味深い存在になった。しかしXC90／X5と、カイエン／GLEのあいだには明確な違いがある。後者はパワー重視の内燃機関を使用するのに対し、前者はハイブリッド・パワートレインに合わせたダウンサイズ版の直列4気筒エンジンを使用するからだ。コンベンショナルなディーゼルに比べて経済性を確保できる。

今年末には、ディーゼル・エンジンとモーターをハイブリッドするアウディQ7 e-トロンが加わる予定だが、そのためにも経済性重視のボルボXC90とBMW X5のPHEVを試し、基準を設定したいと思った次第。XC90 T8とX5 xDrive40eのガソリン・エンジンは、それぞれ317psと245psを発揮。前者はターボとスーパーチャージャーによる、後者はターボに加給を受け、バッテリーとともに大きな体躯を引っぱってくれる。