フロント・シートの住人ならば、広いスペースとステアリング／シートの調整幅の広さにをありがたく思うかもしれないが、しかし後席は頭上や足元が制限され、トランクがライバルより小さくアクセスしにくい点も、どうにかならないものかと思わざるをえなかった。

■「買い」か?

念のためにいっておくが、ギブリは以前よりもよくなった。2013年のモデルに比べると静かだし、あたらしいインフォテインメント・システムは便利になった。

ただ、一歩離れたところからみると、ライバルほど速くも、俊敏でも、快適でも、クリーンでも、経済的でもないことが、じわじわとわかってくるのだ。

マセラティはよく努力していると思うが、メルセデス・ベンツEクラスやBMW 5シリーズのマナーを一目見ると、それら以上の魅力を感じるのは困難である。

■日本版編集部の見立て

英国では好調なセールスを記録しているギブリ・ディーゼルだが、意外や意外、AUTOCAR英国版の評価は芳しくなかった。イタリアン・エキゾティックを代表するビッグ・ネームだけに期待が大きかったのだろうか。新世代マセラティとしては最初のモデル故に、さらなる熟成と次世代に期待したい。

マセラティ・ギブリ・ディーゼル

価格	£49,860(658万円)
最高速度	249km/h
0-100km/h加速	6.3秒
燃費	17.0km/ℓ
CO2排出量	158g/km
乾燥重量	1875kg
エンジン	V型6気筒2987ccディーゼル
最高出力	275ps/4000rpm
最大トルク	61.2kg-m/2000-2600rpm
ギアボックス	8速オートマティック