ジ・ファイネスト・アスペン・スノーマス・オークション

●2016.09.17　アスペン／コロラド／U.S.A.
ジ・ファイネストが、アメリカのコロラド州アスペンにあるスキーリゾートを舞台にオークションを開いた。アメリカでのオークションだが、東海岸のオークション・ハウスだからかヨーロッパ車が多いのが特徴だ。

 
前回も紹介したが、ジ・ファイネスト・オークションは誕生間もないオークション・ハウスで、ニューヨークを本拠に活動している。4月に初のオークションをウェブ・オンラインで行い、6月にハーシーズ・コンクールの共催として行われ、その3回目としてアスペン・スノーマス・オークションが開かれた。コロラド州の州都であるデンバーから西南西80kmに位置するアスペンにあるスキーリゾートのスノーマスを舞台に開催された。

今回のアスペン・スノーマス・オークションには62台のコレクターズカーが用意され、アメリカ車は僅か3台だけというヨーロッパ車中心の顔ぶれとなった。ここではニュースになるような特別な存在のクルマは無く、現実的な新旧のモデルが集められた。

それだけにここで最高落札額を記録したのは2009年型AMG SL65の22万ドルで、ここに2000年型フェラーリ550マラネッロ17万ドル、6M/Tの2005年型フェラーリF430 13.5万ドル、1957年型メルセデス・ベンツ190SLロードスター12.65万ドル、1969年型メルセデス・ベンツ280SL12.1万ドル、1943年型フォルクスワーゲン・タイプ166 シュビムワーゲン11.65万ドル、2004年型フェラーリ360モデナ（6M/T）11.55万ドル、1957年型メルセデス・ベンツ190SLロードスター11.5万ドル、1988年型フェラーリ・テスタロッサ11.5万ドル、2008年型ランボルギーニ・ガヤルド・スパイダー11.0万ドルが10ベストとなった。

この結果を見るとコレクターズ・オークションというよりは、ユーズドカー・ショップに近いラインナップになっており、全般的に現実的で相応な額で落札されているのが分かる。逆に高めの最低落札額が設定されたクルマは、ほとんどが流れていることがリストから見て取れよう。

ここで注目したいのがほとんどオークションに出てこない水陸両用のフォルクスワーゲン・タイプ166 シュビムワーゲンが出品され、11.65万ドル／1195万円まで値を上げている。このほかフィアット、ゴッゴモビル、ロイドなど’50年代の小型車や、2ストローク・エンジンを積むサーブ96もマニアには見逃せない存在だ。

またランチア・デルタHFインテグラーレ16V後期型が8.5万ドル／872万円で落札されていることに注目。実はこのインテグラーレは、走行127kmという新車状態を保っていており、エンジンルームや下回りもピカピカのショールーム・コンディションに保たれている。そのためここまで値を上げたのである。インテグラーレのユーズドやレストア車は数多く存在するが、恐らくこれが最後の新車になるかと思われる。

しかし欧米のオークションでは20〜30年前のクルマが、新車状態で突然姿を現すことがあるので日頃からチェックが必要だ。今回はリスト順に写真を紹介しよう。