キア・オプティマGT

公開 : 2016.12.16 05:20  更新 : 2021.03.05 21:36

欧州のスポーツ・サルーン市場に初めて挑むキア。速さとその志は称賛に値するが、その先に求められる味付けのレベルはどれほどのものか。

■どんなクルマ?

2017年秋、キアはこのオプティマGTを英国で発売する予定だ。この韓国のメーカーが、欧州で販売するもっともパワフルな車種となる。

安さを売りに欧州へ参入したキアは上級移行を進めようとしており、その決め手となるのが ‘ 欧州で鍛えられた”’ ハンドリング・フィールである。

その手のモデルの第1弾は、13年に登場したCセグメントのシード/プロシードGT。今回は第2弾となるが、大きな進歩を期待させる要素がある。

キアと親会社のヒュンダイは14年、BMW Mで辣腕を振るったアルバート・ビアマンを高性能車部門の長として迎えいれたのだ。オプティマGTは、ビアマンが手がけた最初の市販モデルなのである。

こんな話がある。ビアマンは15年、部下のエンジニアたちに請われてオプティマGTのプロトタイプに試乗した。その際、感想を尋ねられた彼はこう答えたという。「これは ‘GT’ ではない」

進行中だった開発は即座に逆戻しされ、サスペンションからブレーキ、ステアリング、エンジン、トランスミッション、果てはインテリアに至るまで徹底的な見直しが図られた。

そうして欧州へ投入されることとなったオプティマGTは、今回試乗したワゴンのほかセダンも設定。245psの2.0ℓ直4ターボを積む前輪駆動車で、最高速度240km/h、0-100km/h加速7.4秒をマークする。

いずれの数字も、自動車先進国の基準で見れば決して夢のあるようなものではない。しかしキアにしてみれば、ブランド力なり開発ノウハウなりを考えれば大胆な力作である。

なにより、10年ほど前であれば、欧州勢や日本勢の強力なモデルがひしめくこのマーケットに参入することなど思い描けさえしなかった夢のようなできごとだ。


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