マツダMX-5 RF 2.0

公開 : 2017.02.10 05:40  更新 : 2017.05.29 19:12

重量は増したが洗練度が高まったというロードスターのリトラクタブル・ファストバック。ダイナミクスはわずかながら向上したが、果たしてマツダの主張通りの洗練性を実現しているだろうか。

■どんなクルマ?

英国人がいくら寒さに強いとはいえ、相当数が販売される小型スポーツカーにおけるソフト・トップが占める比率はそう多くない。先代MX-5を例にとれば、ほぼ80%がリトラクタブル・ハード・トップ仕様だった。

それゆえに、可動式ハード・トップのRFが設定されたことは、驚くに値しない。先代はRHTことリトラクタブル・ハード・トップを名乗り、フル・オープンが可能だったが、新型はリトラクタブル・ファストバックを意味するRFの名が与えられた。ポルシェの現行911タルガのように、ルーフ・パネルのみを電動格納するタイプで、ソフト・トップより風切り音は抑えられ、運転席で身体を捻って手づからトップを開閉する手間からも解放してくれる。

ただし、当然ながらマイナス面もある。もちろん、重量増加だ。ルーフ・パネルとその後方部、開閉メカニズム、ガラス製リア・ウインドウの追加で、45kgほど上乗せされている。しかも、それが上屋に集中すれば、重心が上がるのも避けられない。軽量さを追求したマツダの精神にも、スポーツカーの理想にも反する。

もちろん対策は講じられ、フロント・スタビライザーとダンパーは強化された。そしてステアリングもよりシャープになった。すべては、走りをソフト・トップ車に近づけるためだ。

スペインのスムースな路面で走る限り、その試みは成功したように思えた。しかし、英国のバンピーな道路でも、そのチューニングは功を奏するのだろうか。

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