オペル、ヴォグゾールの買収話は、オペルの取締役にも知らされないで進んでいた

公開 : 2017.02.16 19:02  更新 : 2017.06.01 00:29

自動車工業に詳しい関係者はAUTOCARに、PSAの中国でのパートナー、東豊が財政援助を含みこのオペルヴォグゾールの買収話に1枚咬むかもしれないと語っている。

また、世界的なコンサルタント会社であるエバーコアICIがドイツの日刊商業経済誌、ハンデルスブラットに、GMがPSAに退職金のために用意されている積立金、つまり年金資産を支払うことになるかもしれないと語っている。

PSAがオペル、ヴォグゾールを買収することのメリットは、PSAを240万台以上ヨーロッパ市場でクルマを販売し、シェアが16%となるヨーロッパで2番目に大きなメーカーになるということだ。ルノーを追い越し、フォルクスワーゲンに次ぐメーカーとなるのだ。

2016年のオペルの販売台数は979,427台、PSAグループは1,446,052台。これを合計すれば、昨年のルノーの販売台数、1,496,394台を大きく抜くことになる。

ヴォグゾールは1925年にGMの傘下となったメーカーだが、英国だけの販売にもかかわらずオペルの生産台数の1/5を販売してきた。しかし、売却話が本当になるとすれば、そのブランドの将来は非常に不安定だ。2009年、GMの財政危機の時にも議題に上り、結果的には却下されたが、オペル・ブランドへの一本化という話がある。もし、PSA傘下になれば、この話は再び俎上に上ることになろう。

2009年の財政危機以来、GMヨーロッパは16年間赤字のままだ。GMは2016年に黒字に転換すると予測していたが、ユーロ離脱の影響でポンドの価値が下落したことによって、ヴォグゾールは2016年には$3億(341億円)の損失を生み、結果的にオペルの$2億5700万(292億円)の赤字に繋がった。

一方、PSAは2013年に破産の危機を迎えた。そのためこのフランスのメーカーは、25.6%の株式を、半分はフランス政府に、そして半分は中国の東豊に売却することになる。その後、間もなくPSAはいくつかのプラットフォームでオペルとの協業を始めている。これが、今回の買収話のきっかけのひとつになったという話もある。

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