日産リーフ 第3回 ほぼ1年間使用しての率直な感想は

公開 : 2017.03.04 09:47  更新 : 2017.05.22 13:46

日産リーフに乗る小林さんは甲府在住の普通の自動車愛好家だ。その小林さんは24kWhのリーフとマイナーチェンジされ30kWhになった日産リーフを2台乗り継いでいる。一般ユーザーから見た国産EV、リーフの魅力を綴ってもらった。今回は、2代目30kWhリーフのその後だ。

電費があがった30kWhリーフ

2016年の1月から乗り始めた新型日産リーフ。日常利用と月数回の遠出で、走行距離も1万キロを越えてきました。納車時にあった通信障害以外は、全くトラブルもなく、快適な日々となっています。

写真は、この冬、伊豆の伊東温泉まで行った時の新型リーフです。タイヤはスタッドレス・タイヤ。甲府から伊東温泉までは約140kmで、追加充電なしで行ける距離です。

最初に初期型の日産リーフを購入したのは、2011年の12月。それから数えて、EVライフも6年目に入りました。初期型では24kWhだったバッテリー容量も、新型では30kWhに増え、航続距離も長くなりました。この効果は大きく、安心感が驚くほど向上しています。その理由は、容量が増えただけではなく、電費の数値も良くなっていることが分かりました。初期型の最初1年の平均値は6.6km/kWhでしたが、新型では7.3km/kWhに改善されています。車体の重さが軽くなったのと、暖房のヒートポンプ方式への改良などが寄与していそうです。

暖まりが速くなったヒートポンプ式の暖房

その冬の暖房も、暖かくなるまで5分以上かかっていたのが、1分もすると暖かい風が出てきます。朝は普通のガソリン車でも、冷却水が温まるまで、それなりの時間が必要となります。しかしヒートポンプ方式の効果は絶大で、それよりも早くクルマの室内を温めることができます。

充電回数が少なくなったことが最大のメリット

新型リーフになって一番大きく変わったのは、充電回数でした。季節のいい時期では、週に1回程度の、自宅での夜間充電となっています。1日平均20km位の走行距離だと、この程度の頻度で済みます。初期型と比べて電気代の増減はほとんどありませんが、週1回というのは、手間が少なく、とても便利になりました。

また、遠出の時の急速充電の回数も、かなり少なくなりました。急速充電の充電時間も大きく改善されており、寒い冬場でなければ、20分程度で終わります。初期型に比べ、時間的なロスはとても減りました。今思うと、初期型の時、よく頻繁に急速充電していたと思ってしまいます。遠出の途中での充電は、時間的な問題だけでなく、設備故障の可能性もあり、どうしてもそれなりのリスクを感じることになります。

電費性能優先? 悪くなった新型リーフの加速感

新型リーフに約1年乗って感じた一番の不満点は、その加速性能です。EVの最大の売りは、加速する時のシートに背中が押し付けられるような力です。残念ながら、それが悪くなっていました。平地ではほとんど感じられませんが、高速道路の上り坂で歴然とした差が出ます。初期型では、2500cc位のガソリン車並の加速がありました。しかし新型では、1800cc位の力しかなく、上り坂での追い越しは、ちょっと躊躇します。モーターの違いか、アクセル制御の仕様なのか分かりませんが、とても残念な気がしています。もし電費性能を優先したのでしたら、何かパワーモードでも付ける方法があったのではないかと思われます。

フルモデルチェンジされる次期新型リーフもアナウンスされており、さらなるバッテリー容量の増加を期待できます。遠出の時、EVのバッテリー容量は、多い方が間違いなく良いでしょう。しかし、日常的な使い方が中心の場合は、適度な容量がありそうです。

自宅電気の夜間料金が安いのは、夜23時から朝7時までの8時間。この時間で充電できるのは約24kWhとなります。バッテリー劣化などを考慮した普段の充電では、残り30%位になった時点で、90%まで充電します。この約60%を24kWhとすると、バッテリー容量はちょうど40kWhとなります。この程度の容量が、使い勝手とコスパが良さそうです。

また、この40kWhをフル充電すれば、実用的な航続距離は250km位となります。月に数回ある遠出の目的地は、100~200km。この距離なら、途中充電なしで、余裕持って行くことができます。行った先での充電を考えるだけで良くなります。

リーフの場合、バッテリー容量の使用率は約90%位なので、スペック的には45kWhとなります。次期新型リーフで、この容量の車種の出ることを、ワクワクする気持ちで待ちたいと思います。

(文・小林 薫)

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