有力な小型車9台を比較 日本からも日産/スズキが勝負(中編)

公開 : 2017.07.30 11:40

ミニとマツダ2 飛び散る火花

どちらもカントリーロードに持ち込めば、快適性より楽しさが先に立つ。しなやかさは十分ではないが、バンプなどを越えた際には速やかに安定し、コーナリングを極めてスマートにこなす。

驚くべきは、このマツダの乗り心地がミニよりノイジーで粗いが、ステアリングはより理想的なクイックネスとフィーリングを備え、ギアシフトの感覚はわずかながらこちらの方が好ましい。

いまやこのクラスでは稀有な自然吸気エンジンは、ターボのような扱いやすいトルクの代わりに、完璧なレスポンスと、レッドゾーンめがけて駆け上がる頼もしい回りっぷりなのである。

これがミニの1.2直3ターボだと、ペダルへの反応はソフトだが、低回転からハードに加速し、5500rpmまでは鋭い回転を見せる。熱狂的な走りをするならマツダを選ぶが、日常使いならミニに軍配が上がるといったところだ。

イビーザとフィエスタ お互いに、ゆずらず

イビーザのサスペンションは、ミニやマツダのそれより、路面からの入力の遮断に優れる。当然、スポーツサスでない仕様なら、もっと快適性は高いだろう。

フォルクスワーゲン・グループのMQBプラットフォームを用いるモデルの多くがそうであるように、いくつかのドライブ・モードが設定されるので、市街地では軽く一定のステアリングとプログレッシブなスロットル・ペダルを、カントリーロードではより楽しさを重視したセッティングに切り替えられる。

スポーツ・モードでは、ステアリングはフィードバックこそやや欠けるが、重さは適度に増す。ただし、グリップ・レベルやハンドリングの正確さ、ボディ・コントロールなどに変化はない。

これがフィエスタとなると、多くの面でイビーザさえも凌ぐ。ハンドリングには切れ味と楽しめるバランスが感じられ、外部入力の遮断にはゴムのような弾力性があり、ダンピングはプログレッシブ。

ギアシフトは滑らかで、エコブーストエンジンはよくしつけられている。セアトは公道上での単純な速さならベストだが、やる気にさせるという点ではフォードがトップレベルだ。

実に器用にバンプをいなし、敏捷かつ活発にコーナーを駆け抜け、直3ターボのレッドラインに向け精力的な走りを見せる。

(総評は、今夜公開予定)

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