AMG GTの新顔「GT C」に試乗 ライバル、911ターボよりアストンか

公開 : 2017.09.15 11:40  更新 : 2017.09.15 16:29

ポルシェよりアストンに近いGTカー

これがGT Cの魅力の全てだとしても十分過ぎるくらいであるが、そうではない。このクルマが何であるかを教えてくれる序章に過ぎないのである。

フロントアクスルから比較的離れた後方にある着座位置に収まると、前方からの距離感を感じるだろう。しかし、この位置なら、コーナーの立ち上がりで一気に加速に移ることができる。フロントの様子をみながらリアを徐々に、というわけではない。

端的にいうとCモデルは、911というよりも、大きなアストンマーティンである。スポーツカーというよりも、グランドツアラーである。これは批判ではない、なぜなら、そういうクルマを造り、そう呼んでいるからである。

改善されたコーナリング特性

GTが導入された時、軽量ではあるが、軽い操舵感と長いフロントエンド、どこに行ってしまうかわからないリアサスペンションを抱えていた。このことをより明確に表現する人々は、ロール剛性に欠けると表現する。つまり、コーナリングの際、リアエンドは沈み込み、コーナリングの姿勢を保つことがままならないのである。リアが不安定であり、神経質なのである。

今年に入って、この問題を解決する為に、全てのGTモデルの後方のロールセンターを下げている。ベースモデルとCモデルをテストした限りでは、この対策は効果を得ているようだ。油圧式のステアリングは依然軽い。しかし、意識を集中させれば、そこから伝わってくるものもある。ギアレシオは高いが、長く、比較的重いこのクルマを俊敏に操舵する為には、仕方がないのだろう。

より自信を持ってコーナーに飛び込むことができるが、車体への攻撃性を危惧するのなら、ダンパーはソフトなモードがベストである。そして、これは、幅が広いクルマであり、更に今は、どっしりとした頼りがいのあるクルマでもある。Cモデルに装着された、絶大なグリップを保障するワイドなタイヤや、電子制御のLSD、そしてリアステア機能は、このGT Cをこれまで以上に、痛快なコーナリング・マシンへと変貌させている。

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