英国編集部、日本の軽スポーツに試乗 ホンダS660/ダイハツ・コペン 前編

公開 : 2018.02.24 06:10  更新 : 2018.03.01 01:17

軽自動車というベネフィット

それに比して、ダイハツはグランツーリスモ寄りのアプローチを取っており、折りたたみ式のハードトップルーフの開閉状態に関わらず、トランクには荷物をひとつやふたつ余裕で積むことができる。

電動ルーフによる重量増はあるものの、驚くことにコペンは車両重量がS660の20kg増しに過ぎない。両モデルともフロントにはマクファーソン・ストラット式サスペンション、リアにはトーションビーム・サスペンションを採用している。

コペンは、初代は大きくパワフルな1.3ℓエンジンを搭載してイギリスなどに輸出されていた。S660とは異なりフロントエンジン・フロントドライブを採用。新型は排気量658cc、最高出力64psの3気筒ターボを搭載している。

ダイハツ・コペンには数種類のバージョンがある。今回試乗するのはエクスプレイというモデルで、スポーツカーにクロス・オーバーの手法が用いられるのはサファリ・ラリーで活躍したポルシェ911以来だ。

恐らくダイハツのマーケティング部の誰かによる提案なのだろう。どの角度から見ても外観はかなり変わっているが、そこにはテーマが潜んでいるわけで、実際に2日間乗った後ではすっかり愛着が湧いてしまった。

試乗したS660は218万円だが、オプションを減らせばコペン・エクスプレイと同等の200万円未満に抑えられる。軽自動車の税金、維持費が安いという恩恵は受けられるものの、2車種のスターティング・プライスは少々高い。

日本ではもっと安くハイスペックなコンパクトカーが買えることを考えればなおさらだ。

とは言え、マツダのロードスターは一番低いグレードでも約250万円し、軽自動車のようなコスト・ベネフィットは得られない。つまり、ここに軽スポーツカーの存在意義がある。

実際に日本国内では2016年度にS660が8246台(2015年度は1万2537台)、コペンが4269台(同6567台)売れた。ホンダが採算を取るのに必要な販売台数よりはるかに多く売れたのだ。

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