シトロエンDS 4種乗り比べ 「60年前の未来のクルマ」前編

公開 : 2018.05.04 16:10  更新 : 2021.03.05 21:43

シトロエンDSの登場は60年以上前。今の目で見ても、遠い天体からやってきた宇宙船のように見えます。DS19、DS19サファリ、DS21パラス、DS21デカポタブル。4タイプのDSを集め、試乗してみましょう。

もくじ

前編
同時代の英国車とは「まったく違う」
スタイリングは「新たなショック」
手で動かせるワイパー
シトロエン 隣にジャガー/ローバー
1964年型 DS19サファリ

後編
シトロエン乗りの儀式
最良の選択はスラウ製のパラス
マシュマロのような乗り心地
DS21デカポタブル登場
ありふれた風景が、優美な世界に
電気なし 水道なし 60年前の「未来」

同時代のクルマとは「まったく違う」


4台のシトロエンDSを目の前にして、ふたりの言葉が心のなかで響きあった。ひとつは、哲学者のロラン・バルトが1957年に発表したエッセーの一節、「この新しいシトロエンが空から落ちてきたのは明らかだ」という言葉。そしてもうひとつは、ロバート・カンバーフォードがMOTOR TREND誌で、DSを「18世紀以来の決まりきった機械設計の概念を、初めて本当に打破した」と評した言葉だ。

今回の取材車はDS19のサルーン、DS19サファリ(英国でワゴンはこう呼ばれた)、上級グレードで英国スラウ工場製のDS21パラス、オープンのデカポタブル。1967年にフェイスリフトするまでの前期型の多彩さを代表する4台であり、それぞれに独自の魅力を放っている。

まず1957年型のDS19は、55年にデビューしたオリジナルと同じスペックを持つ。DSが同時代の他のクルマといかに妥協なく違っていたかを物語る1台だ。トラクシオン・アヴァンの “ライト・フィフティーン”(本国名はシトロエン11)ですでにお馴染みだった1911ccエンジンは、ボンネットの下に潜んでいる。フロントに “ダブル・シェブロン” のトレードマークもない。

これが高級セダンだと理解するのは、当時の人々には難しかっただろう。
 

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