結論　★★★★★★★★★★

明快なスタイリングと活発な走りが生む爽快さ

A110でのドライビングに関わる全ての部分、耳につくターボノイズとトルクから、活発で思わず夢中になってしまうハンドリングまで、すべてが秀逸。

この新しいブランドが提供する、ほかでは得られない喜びは、サーキットに行かずとも、いつでも味わうことができる。A110なら、ライバルでは叶えられないロードトリップを体験できるはず。このクルマに感情移入するほどに、ハンドリングもより意のままになっていく、独特な懐の深さがある。

そしてクルマを詳細に見ていくと、ここまで感情を高ぶらせることのない強力なライバルと比較しても、機械的な複雑さや、一般とは異なる部分が少ないことに気づく。ここまでドライバーの熱い気持ちに応えてくれ、実際に走らせることができるクルマは、あまたあるスポーツカーの中でも滅多にお目にかかれない。

アルピーヌA110プレミエール・エディションは俊敏で俊足。極めて実践的で誰にでも喜びを提供してくれる。テスト結果をまとめると、並み居るライバルよりも遥かに、圧倒的に素晴らしいクルマだと結論付けるしかない。

間違いなく、満点を付けるに値するクルマだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

フランスのトリコロールカラーがアルピーヌに用いられているが、わたしの考えとしては、国旗をモチーフにするデザイン処理は、その国に属するクルマなら許せる。もちろん、ランボルギーニにイタリアのトリコロールカラーが用いられているのもOK。

サイモン・デイビス

A110のヒーターやエアコンのコントローラーがルノー・ゾエのものと基本的に同じものだとは、乗るまで気付かなかった。それが、インテリアの特別な雰囲気を少し濁してしまっているように思う。

オプション追加のアドバイス

プレミエール・エディションは既に完売なので、これから購入する場合、モデルグレードはピュアかレジェンデを選ぶことになる。ピュアの装備はシンプルで軽量。レジェンデは、レザーシートのほか長距離クルージング向きの装備が追加される。

改善してほしいポイント

・約5万ポンド（765万円）の価格に相応しいインテリアの質感を目指すべき。
・ステアリングの感触は、情報量をより多くしつつ、もっと重さがほしい。
・エンジンの持つポテンシャルを最大限に引き出した方が良い。新しいメガーヌ・トロフィーは300psを実現しているのだから。

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