ブガッティ・シロンができるまで 「アトリエ」での手作業 組み立てと試験を取材

公開 : 2018.06.03 19:10  更新 : 2018.06.03 21:12

公道試験と品質確認

シロンは必ず公道で2回の走行試験を受ける。最初の試験では、クルマはアトリエを離れ、コルマールという風光明媚な町まで走っていく。この町の飛行場の滑走路で、離陸と着陸の合間を縫ってクルマの試験を行うのだ。テストドライバーは管制塔と交信し、滑走路で320km/h近く出せる「安全な時間」を知るのだ。

この高速の遠足が終わると、クルマはもう少し思慮分別のあるスピードでモルスハイムへと引き返す。フルード類を交換した後、翌日2回目の短いテストドライブに出発する。

ドライブトレインを停止したシロンは、およそ3日間かけてクリーニングとポリシングが行われる。これが終わると、光のトンネルに通され、品質の専門家が6時間かけてクルマを隅から隅までチェックする。修正が必要な如何なる不具合も見逃しはしない。

いったんクリーニング部門に送り返された後、いよいよ最後の検査工程へと送られる。この微に入り細に入った工程を経て、初めて出荷承認のグリーンランプが点灯するのだ。ここまで来るのに、シロンはアトリエでおよそ2カ月を過ごす。時には1500psのエンジンの咆哮でアルザスのワイン畑の静寂を破りながら。

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