悪路で試乗 フォード高性能ピックアップ「レンジャー・ラプター」

公開 : 2018.08.24 11:10

どんな感じ?

パドルシフトの使い方 エンジンは1種類

レンジャー・ラプターは交通の流れに乗るには十分快適だが、オーストラリアのカスタマーからすればパフォーマンスパッケージとして物足りないかもしれない。

もしかすると、欧州のカスタマーの方が採点基準は甘いのかもしれない。というのも、欧州人はハイパワーで排気量の少ないエンジンに慣れているし、大排気量に対する税金も高いからだ。オーストラリアでは、ダウンサイジングしても減税はなく、払う燃料税が少なくて済むくらいのものだ。

しかしフォードは、エンジンが2.0ℓであることに注目しているようでは、真にレンジャー・ラプターを理解しているとは言えないという。フォード側から試乗中に、アクセルを踏みつけなくとも、パドルシフトをタップしてギアを下げるだけで欲しいパワーを得ることができると教わった。郊外の長いストレートで追い越しをするときでも、アクセルを踏みつけて空気を汚す必要はないのだ。

フォードがいうには、レンジャー・ラプターに関しては他に選択肢がないのだという。米国以外のミッドレンジ・ピックアップ市場ではディーゼルエンジンがほとんどだからだ。

洗練された仕上がり

だからこのエンジンのパワーアップバージョン(エンジニアリングコストが高いのだろう)や他のパワフルなエンジン(まず存在しない)、未発表の米国仕様に投入されるであろうターボ付きのガソリンエンジン(社内筋からの情報で、北米以外では同じくエンジニアリングコストが高すぎるという)は期待しないで欲しいと言っていた。

2500kgの牽引能力、758kgの積載荷重では不十分に感じる人もいるかもしれない。同セグメントではそれぞれ3500kg、1000kgが標準だからだ。しかし、それほどの牽引も積載も行わない欧州のカスタマーにとって、問題となることはほとんどないだろう。

もしも駐車スペースが狭かったりロールーフ用でなければ、レンジャー・ラプターは癒しのクルマとなるだろう。

タイヤやエンジンは高速道路でも静かで、アクセルを踏み込んだ時だけシンセサイザーの人工的なエンジン音がキャビンに入ってくる。このような装備はあまり好きではないのだが、これはうまくできている方だ。

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