お手頃ベストドライバーズカー選手権2018 1stステージ 決勝に進める4台は

公開 : 2018.09.08 07:40  更新 : 2021.03.05 21:37

i30 N しなやかさが特徴

その厳しい戦いのライバルがヒュンダイi30 Nだ。

パフォーマンス・パックを装備していないこのバージョンは、昨年のベストドライバーズカー選手権でわたし以外の多くのテスターをガッカリさせたモデルでもある。

LSDをもたない替わりに、パワーをやや落とし、乗り心地重視のスプリングを備えたこのi30 Nは、最終的には他のテスターたちをわたしと同じような意見にさせることに成功している。

個人的にはこのクルマこそ、いま実際に買うことのできる最高のミッドサイズ・ホットハッチだと思っている。このクルマは251psのパワーで0-100km/hを6.4秒でこなす。これで十分でないなら、そんなに急いでどこに行くというのだろう?

そのしなやかさが、i30 Nを他のモデルとは違った存在にしている。「一貫した操作系の重みと、限界付近での予測し易さによって、コントロール性に優れている」とソーンダースは話す。

「このクルマ以上に自信をもってブリトンの高速コーナーに飛び込んでいけるクルマはほとんどない。これ以上のトラクションは必要ないが、トップエンドでのさらなるパワーがあればとは思った」とも話している。


恐らくそうかも知れない。だが、それがこのクルマを扱い易くしており、わたしが最も評価している点である。

このクルマは、古典的だが時代遅れではない(ポルシェケイマンGT4のデザイナーの言葉だ)ホットハッチだ。そのステアリングは正確で、相応しいトルクと重みを伝えてくる。サーキットでは、コーナーを果敢に攻め、フォード製の偉大なホットハッチ(ただし、最新のフォーカスSTだけは残念ながらそうではない)と同じ方法でボディ中心を軸に旋回してみせる。まさに本物のスターだ。

確かに、i30 Nはフォード・フィエスタ STとまったく同じようにボディ中心を軸に旋回する訳ではない。乗り心地はヒュンダイが上であり、ボディコントロールはフィエスタに軍配があがる。

だが、i30 Nにはフィエスタよりも優れたドライビングポジションがある。それでも、フィエスタのステアリングはクイックで、直観的、そしてドライバーの情熱を掻き立てる。そろそろフィエスタに移ろう。

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