AUTOCARロードテスト90周年(7) 乗り心地と操舵 最大の革新分野

公開 : 2018.12.22 10:40

今後は空力の進化に注目

最近のクルマでもっとも進歩した点は、電子技術の普及かもしれない。減衰力自動可変式のダンパーからロールの自動制御、そしてときに正式名称が車名より長くなる車両安定化技術の諸々だ。シャシー技術者はこれらの装置のおかげで、かじ取りをただドライバーの慎重な操作だけに頼っていたかつてのスーパーカーとは比べものにならないほどの機敏な反応をシャシーに与えられるようになったのだ。

さいごに、これからの話をしよう。おもしろいことにタイヤの進化はいまだ著しく、それはいま普通のロードカーが5年前の堂々たるハイパーカーとおなじラップタイムでサーキットを走れる大きな理由にもなっている。

だがとくにスポーツカーにおいてこれから実質的な成長をみせるのは、ダウンフォースだろう。莫大な抗力を伴わずに獲得できたなら、走っている間中その恩恵に浴せるのだ。可動部品などほぼ必要としないし、速度が上がるほど操縦も容易になるのだ。

巨大な羽根を生やした従来のスポーツカーはしだいに目にしなくなるとは思うし、ボディの上面よりも下面でさらなるダウンフォースを得るようになっていくだろう。そこでまた大いなる進歩を見たいものだ。

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