ロードテスト フォード・フィエスタST-3 ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.01.03 11:40

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

結論 ★★★★★★★★★☆

バーゲンプライスに素晴らしいドライビングを備えるも、先代を超えてはいない

難しいことだが、単に突出しているだけでは、ロードテストで満点を得ることはできない。新しいフィエスタの完成度は高く、ライバルを抑えるのに充分な実力を備えてはいるが、満点を与えられない要素も含まれていた。

力強くスムーズながら、ホットハッチにふさわしいとは思えない3気筒エンジン。積極的な運転を受け入れてくれるも、どこか統一感に欠けるシャシー。綺麗にまとまってはいるが、特に特徴のないドライビング環境。どこか、釈然としない部分が足を引っ張ってしまう。先代のフィエスタSTも備えていたようなマイナーなことではあるけれど、無視することはできない要因だと思う。

反面、1万9000ポンド(275万円)というスターティングプライスで買える前輪駆動のクルマで、フィエスタSTほど運転に対する魅力に溢れたクルマがないことも事実だ。これも無視することはできない。

先代と同じくらいに、才能豊かなドライバーズカーであることは間違いない。コストバリューに優れた、スリリングなドライビングを味わえるクルマは何か、という問いに対する最適解がフィエスタSTであることに、揺るぎはなかった。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

ミシュラン・パイロットスーパースポーツはより高級なスーパースポーツが履くようなタイヤだと思う。2万ポンド(290万円)前後のクルマとして、賞賛を与えるに充分な仕上がりなだけに惜しい。

リチャード・レーン

低負荷時に3気筒の中央の1気筒が休止すると、荒々しい燃焼音が聞こえてくる。2.5センチほどアクセルを踏み込めば、気になる音もすぐに消えるけれど。

オプション追加のアドバイス

オプションを満載しているフィエスタST-3は、やや盛りすぎに思える。ST-2を選択して1500ポンド(21万円)を浮かし、850ポンド(12万円)のSTパフォーマンスパックと425ポンド(6万円)の18インチホイールを選択する方が良いかもしれない。

改善してほしいポイント

・やや右にオフセットしたドライビングポジションを正してほしい。
・より軽量で回転性に振ったクランクシャフトを装備して欲しい。RSバージョンなら搭載されるのだろうか。
・車内の素材や雰囲気もよりワクワクする要素があって良い。
・パワーに見合った、もう少し力強い制動力がほしい。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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