試乗 ポルシェ・カイエンE-ハイブリッド 性能と実用性を両立

公開 : 2019.01.22 10:10

ポルシェらしい走り

プラグインハイブリッドとして使う場合、現実的な航続距離は35km前後だ。通学や通勤の大部分を補うことができる。エンジンの静粛性は大幅に改善されているため、エンジンが始動しても不愉快な思いはしないで済むだろう。

そんな「エコゲーム」に飽きたら、カイエンはポルシェであることを思い出して欲しい。何しろ、718 ボクスターを追いかけ回すだけの実力を持っているのだ。英国では、2トン越えのラグジュアリーSUVにこれ以上の速さが必要な場面はごく稀で、カイエン・ターボは過激すぎるくらいだ。

しかし、カイエンE-ハイブリッドにどう猛さは感じない。シルクのように滑らかな8速ティプトニックはどんな回転数でも容易にパワーを引き出してしまうのだ。パワートレインの連携が崩れるのはアクセルを踏み込んですぐに戻した場合くらいのものだ。数秒間不必要にローギアにとどまってしまう。

カイエンSよりも30%近く重いものの、コーナーでもE-ハイブリッドの重量を感じることは少ない。今回の試乗では1500ポンド(21万円)のアダプティブサスペンションが装着されていたこともあり、重さを感じさせない点ではライバルよりも一歩秀でていた。ぜひつけておきたいオプションだ。

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