IペースとEペースが生まれる場所 マグナ・シュタイアの工場訪問

公開 : 2019.02.16 07:50

英国版AUTOCARのクロプリー編集長が、英国初のプレミアムEV、Iペースの生産を行っているマグナ・シュタイアのグラーツ工場を、同じジャガー製コンパクトSUVのEペースで訪問しました。そこで目にしたのは、高級EVとコンパクトSUVが同じラインで生産される驚きの光景だったようです。

もくじ

英国初プレミアムEVの故郷
マグナ・シュタイア グラーツ工場
幸先良いスタート ペースは順調
寄り道は失敗 グラーツ到着
いよいよ生産ラインへ
品質が重要 驚きの光景
番外編1:今回のルート
番外編2:Eペースの実力

英国初プレミアムEVの故郷

英国初の高級EVであるIペースに乗ってほんの数百mも街を走ってみれば、このクルマに対する注目度の高さが理解できるだろう。エンジンサウンドを発しないこのクルマの滑らかなボディラインは道行くひとびとの視線を集め、停車するたびに質問攻めにあうことになる。

新聞やTVニュースでも大々的に取り上げられたことで、あまりクルマに興味の無さそうなひとびとでさえ、このクルマには直ぐに気が付く。多くのひとびとにとっては高値の花だが、だからこそ、Iペースは単なる新し物好きにとっての高級モデル以上の重要な存在となっているのであり、大変革期にある自動車市場においては大注目の1台でもある。


だが、このクルマがどこで生産されているかを知る人は少ないだろう。Iペースは、柔軟な生産体制のもと、高級ブランド向けの希少モデルづくりを生業としているマグナ・シュタイアの、長い歴史を誇る広大なグラーツ工場で生産されている。

現在のジャガーランドローバー(JLR)の苦境や、先の見通せないブレグジットを理由に、この新しいジャガーの生産地が大陸欧州に移されたことを喜ぶひとびとがいる一方で、英国製でないことを残念に思う向きもあるだろう。

それでも、このプロジェクトは上手くいっている。現在ここでは2台のジャガーが生産されており、Iペースはその非常に柔軟性のある最終組み立てラインを、いまやジャガーでもっとも売れ筋のモデルとなったコンパクトSUVであるEペースと共有しているのだ。

では、なぜマグナが選ばれたのだろう? それは、この2台が発売を間近に控えたタイミングで、すでにJLRの生産能力は限界に達していたからであり、長年にわたり、驚くほどのクオリティーで異なるブランド向けに数多くのモデルを生産してきたグラーツ工場は理想的な場所だった。

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