小さくても魅力的 小排気量車カウントダウン 後編 ホンダN360にBMWイセッタ

公開 : 2019.03.31 05:50  更新 : 2021.03.05 21:42

 

BMWイセッタ:245cc

今のブランドイメージからは想像し難いが、1950年半ば、BMWは財政難にあえいでいた。そんな中で急場をしのぐうえでも、245ccのイセッタは大切なクルマだった。本来はイタリアのイソ・イセッタで、BMWがライセンス生産したバブルカー。全長2250mmしかない小さなエンジンを搭載した小さなクルマだったが、スエズ危機(第二次中東戦争)で石油の供給が減少すると、ガソリンの価格も上昇し、イセッタの注目は一気に高まる。イセッタのような経済的なクルマの需要は急上昇しただけでなく、ファッショナブルだとも受け止められた。

245ccの単気筒エンジンはキャビンの後方、リアタイヤの前にマウントされていた。初期のクルマは後輪が2本並ぶかたちでレイアウトされていたが、後に1本へ変更されている。後年298ccエンジンを搭載したイセッタ300も登場したが、最高出力は13ps。さらに582ccのBMW600も登場するが、同じ1959年に登場したBMCミニと比較すると、経済性や車内空間、快適性などで遥かに及ばない反面、価格は大差がなかった。

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