EVの真実 本当に環境にやさしい? 実は多いエネルギー消費量 カギは発電方法

公開 : 2019.06.29 11:50

最新の研究成果 70万kmの衝撃

EVのCO2排出量に関する最新の研究成果が、ベルギーのリエージュ大学から発表されており、最初にテレビで発表され、その後地元新聞のHLNに掲載されたダミアン・アーンスト教授の計算結果は、これまでのEVに対する見方を根底から覆すものだった。

欧州電力ネットワークにおける平均的なCO2排出量を使って、アーンスト教授は欧州域内で生産された60kWhのバッテリーを搭載したEVが、「平均的なガソリン車よりも環境負荷を少なくする」には、70万kmを走行する必要があるとしている。

一方で、すべて再生可能エネルギーで構成された欧州電力グリッドがあれば、環境負荷においてEVが内燃機関を逆転するまでの走行距離を、わずか3万kmにまで削減することが可能だとも、アーンスト教授は述べている。

この結果はベルギーで大々的に取り上げられ、アーンスト教授の計算結果についても、約35万kmが必要だとする意見や、デルフト工科大学の教授陣による、生産工程でより多くのエネルギーを消費したとしても、「わずか」8万kmで達成可能だとする説もあった。

EV用バッテリーの生産工程が疑問視されたのは、これが初めてというわけではない。1年前、International Council on Clean Transportation(ICCT:国際クリーン交通委員会)では、この問題に関する詳細な調査レポートを公表しており、CO2排出量の計算を目的に、世界のバッテリー生産に関する10の異なる研究成果をとりまとめている。

レポートによれば、バッテリー生産で排出されるCO2の量は、50kg CO2/kWhから200kg CO2/kWh、さらにはそれ以上と様々であり、ICCTでは、その中央値となる175kgを採用し、バッテリー寿命を15万kmと仮定したうえで、バッテリー生産はEVのライフタイム効率に対して、35g CO2/kmのCO2排出量を上乗せしているとの計算結果を提示している。

さらにICCTでは、30kWhのバッテリーを搭載した日産リーフと、プジョー208 1.6ブルーHDiの比較も行っており、毎日の利用においては、リーフのほうが効率で30%上回るとの結論を出している。

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