初試乗 ホンダEプロトタイプ 電動化の新しい波 都市部に絞ったパッケージング

公開 : 2019.07.04 10:10  更新 : 2019.07.04 12:14

目指したのはDセグメント並みの快適な乗り心地

ホンダEの豊かなトルクは、加速時に実感できた。スポーツモードを選んでいても、ペダル操作と加速のバランスが良く、パワーデリバリーはスムーズ。0-96km/h加速に要する時間はおよそ8秒だという。アクセルペダルを深く踏み込めば、素早くスピードが立ち上がるが、このクルマのサイズ感だから凶暴性を感じるほどではない。

また一般的なEVと同様に、Eプロトタイプにも回生ブレーキはもちろん備わる。シングルペダル・モードでの操作や、ステアリングホイール裏のパドルで機器の強さを調整可能。アクセルペダルから完全に足を離すと、クルマの減速率が最大化され、回生率も最も強くなる。

Eプロトタイプの最も大きな特徴が、都市部での取り回しのしやすさ。ボディサイズが小さい上に、フロントタイヤが45度まで切れるおかげで、最小回転半径は4.3m。使い古された表現ながら「ゴーカート・ハンドリング」という表現を思わず用いたくなるほど、俊敏性と反応の良さを獲得している。笑顔にならずにはいられない。

乗り心地もいい。前後ともにマクファーソンストラット式の独立サスペンションを採用している。ホンダによれば、より大きなボディサイズのクルマにも匹敵する乗り心地を目指したという。ただし、今回試乗したのは起伏が殆ど無いホンダ社内のテストコースだったので、あくまでも現時点での印象は限定的だ。

「比較的高めの価格設定に見合う付加価値を持たせるに当たり、Dセグメントに匹敵する快適性と衝撃吸収性を目指しました。走行パフォーマンスや乗り心地の面で、ライバルのEVモデルを超えるだけでは不十分なのです」とアシスタント・プロジェクトリーダーのシンヤ・タカヒロが説明する。

Eプロトタイプの車重や車体寸法は公表されていないが、コンパクトカーであることには間違いない。後席に座れる大人はふたりのみ。レッグスペースは限られており、ラゲッジスペースも週末の買い出しには手狭だろう。だが、量産モデルのEが登場するのは今年末の予定だから、そこまでは具体的な評価はお預けとしておこう。

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