英国版中古車のすゝめ W126型Sクラス メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

公開 : 2019.08.31 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

欧州では近年、急速に評価が高まっているメルセデス・ベンツW126型Sクラス。日本ではバブル景気に湧いていた、1980年代に誕生した高性能グランドツアラーです。ケーニッヒやアプトによるチューニングカーを思い出す読者もいるのではないでしょうか。

もくじ

エアバックやトラクションコントロールを導入
高くても程度のいいクルマを選びたい
W126型SECの中古車 購入時の注意点
不具合を起こしやすいポイント
オーナーの意見を聞いてみる
掘り出し物を発見
まとめ
メルセデス・ベンツ380SEC-560SECのスペック

エアバックやトラクションコントロールを導入

W126型Sクラスのデリバリーが始まった1970年代後半、2ドアのSECも誕生。カーデザイナー、ブルーノ・サッコによる、Bピラーのないエレガントなスタイリングに強力なパワーを備え、特別な風格を漂わせていた。当時メルセデス・ベンツが掲げていた「エネルギー・コンセプト・プログラム」に合致したエンジンを搭載し、従来の燃費の悪い大排気量V8エンジンよりも25%程度の燃費向上を目指していたクルマだった。

安全性にも注目し、エアバックを早期に導入。オプションながら運転席側に装備することができた。マイナーチェンジに合わせて、500SECと560SECには運転席側で標準装備となり、助手席側にも1988年からオプションで装備できるようになっている。トラクション・コントロールに、シートベルトのプリテンショナー機能も搭載。前席はヒーター付きのパワーシートで、外気温計や洗練されたクルーズコントロールも備えていた。

メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC
メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

420と560SECにかわって、1985年のフェイスリフトと同時に登場したのが380と500SEC。一部のコーチビルダーがコンバーチブルを制作したほか、500SECをベースにAMGがモディファイを加え、2台が1989年のスパ・フランコルシャン24時間レースに参戦している。アメリカ仕向けのクルマにはビッグバンパーを装備し、最高出力は欧州仕様車と比べて著しく劣る一方で、燃費は良くない。購入する場合、逆輸入車には注意したいところだ。

高くても程度のいいクルマを選びたい

グレードで見ると、420SECは希少で3680台のみが販売されている。続く380SECは1万1267台が市場へ出ている。500SECは3万184台と高い人気を誇っていたが、トップグレードの560SECも2万8929台が販売されている。当時のメルセデス・ベンツの購買層の嗜好が見えて面白い。

すでに40年ほどが経過しているから、目立つところに錆びがなくても内面で進行していることがあり、修復費は高く付く。一方でメカニカルな部分は非常に堅牢で、走行距離もかなりの数を刻んでいることが多い。メンテナンスさえ適切なら、走行距離の長さはあまり気にするポイントではない。反面、走行距離が短くても長期間放置されていたクルマの方が、過走行でもメンテナンスを小まめにされてきたクルマよりトラブルを起こしやすい。整備記録は確認した方が良いだろう。

メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC
メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

W126型のSECの価格は年々上昇傾向にある。メルセデス・ベンツ用補修部品の品質は極めて高いぶん価格も張るので、下手に安いクルマを買うと、それ以上の部品代や修理費用がかかる可能性もある。低価格なクルマを買って、不具合を直しながら乗るより、必要な整備がすべて完了した状態のいいクルマを手に入れた方が、結果として安価な場合が多いので気をつけたい。

バックオーダー状態とはいえ、ほとんどの部品は今でも入手可能だ。SECの整備に1万ポンド(130万円)程度はあっという間になくなってしまう。フルレストアをしたとしても、5万ポンド(650万円)まではかからないとは思うけれど。