英国版中古車のすゝめ W126型Sクラス メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

公開 : 2019.08.31 07:50  更新 : 2022.08.08 07:54

W126型SECの中古車 購入時の注意点

SECは必要な時に必要なだけ力強い加速を見せてくれる一方で、安定性や操縦性も高く、運転しやすい。本来ハンドリングやステアリングがシャープというわけではないが、運転してくたびれているような印象を受けたら、恐らくそのとおり。

エンジンはタイミングチェーン式で、16万kmごとの交換が必要。劣化したチェーンは、内部のプラティック製のガイドの破損を招き、エンジンヘッドにもダメージを与える。カムが摩耗すると、カチカチと音を立てるので要交換。500シリーズだけでも4種類の異なるカムが存在するので、要注意。

メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC
メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

アイドリング時や加速時にエグゾーストから出る白煙は、バルブステム・オイルシールの劣化による場合が多い。エンジンヘッドを降ろさずに交換が可能。カムオイル・チューブの交換もしておきたい。エンジンヘッド・ガスケットからのオイル漏れの修理には数日を要する。エンジンマウントの劣化も確認したい。

フュエルインジェクション・システムは、不具合が出てもエンジンを止めないように設計されており、修理されていない場合が多い。フロントのブレーキキャリパーも、フェイスリフト前のクルマの場合は固着しやすい。クルーズコントロールの修理にはかなりの費用が必要。シートベルトのバックルだけでなく、オートマティック・シートベルト・ガイドも壊れやすい。

ドライブトレインからのゴツゴツという異音は、大抵がプロペラシャフトのセンターマウントが傷んでいることが原因。リアアクスル周りは丈夫ながら、異音やオイルの滲みは発生しがち。セルフレベリング機能の付いたリアサスペンションは、油圧スフェアが故障すると硬い乗り心地になる。油圧ラインは錆びやすく、修理されていないことが多い。燃料パイプやブレーキまわりも同様。

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

オールアルミニウム製のV8エンジンは、基本的なメンテナンスさえ抑えておけば、永遠に稼働するといえそうなほど頑丈。多くのクラシックモデルと異なり、極端に安いクルマでない限り、大概のSECは整備記録もしっかりしている。タイミングチェーンの交換には1200ポンド(15万円)から1500ポンド(19万円)程度はかかる。タイミングチェーンを交換してもメカニカル音が目立つ場合、カムの摩耗の可能性が高い。

インテリア

全体的に頑丈だが、ベロア生地はすり減りやすいし、天上の内張りも垂れてくる場合がある。一部の専門店でないと修理は難しい。サンルーフの修理には、かなりの覚悟が必要だ。

サスペンション

メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC
メルセデス・ベンツ380SEC-560SEC

フロント・ボトムアームのボールジョイントの交換には特別な道具が必要。凹凸を通過した時に聞こえるガタガタという異音はボトムアームのスラストリンクの劣化による。ステアリングラックの交換は、リビルト品で300ポンド(4万円)程度。

トランスミッション

全般的に頑丈だが、最初にだめになるのはリバースクラッチの場合が多い。シフトレバーでリバースにして、つながるまでに数秒待つ場合は、1500ポンド(19万円)程度のリビルト品を探しておこう。

ボディ

リアウインドウ・シールがひび割れていないか、パーセルシェルフのトリムが傷んでいないか、ラゲッジスペースのフロアの状態は大丈夫化を確認する。修理が完璧でないと、錆びてしまう。

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