次期ジャガーFタイプ コンセプトカーのC−X75は好適か? 現行は3年継続

公開 : 2019.09.23 17:20

ミドシップ・レイアウトにハイブリッドを搭載したイアン・カラムによるコンセプトモデルが、次期Fタイプへと発展するかもしれません。次世代のポルシェ911の対抗馬としての競争力を得ることができるのか。その可能性を探ります。

ミドシップかフロントミッドシップか

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

ジャガーは次期Fタイプとして、ミドシップ・レイアウトを検討している。加えてかつてのコンセプトモデル、C−X75のデザインを盛り込むことも考えているらしい。

ジャガーのデザイナーとエンジニアは、次世代のポルシェ911のライバルとして、Fタイプの方向性に関する重要な決定をしようとしている。現在のFタイプはフロント・ミドシップだが、それを踏襲するか、ミドシップとし純EVかハイブリッド・システムを搭載するか、という内容だ。

現行のジャガーFタイプ
現行のジャガーFタイプ

AUTOCARはプロジェクトに近い人間が、後者の選択肢を好んでいることを把握している。デザイン・ディレクターを務めていたイアン・カラムによれば、新ディレクターのジュリアン・トムソンとともに、次期スポーツカーの大枠を決めたことを話してくれた。

「C−X75に近いものになるでしょう。ジャガーには、フロント・ミッドシップというスポーツカーの雛形がありますが、わたしはミドシップが良いと思っています。個人的にも期待するクルマです」 とイアン・カラムは答えている。

現在ジャガーは最低でも2つのアプローチを検討していることになる。1つはイアン・カラム好みの、ショートノーズで純EVを含む電動化されたミド・エンジン・レイアウト。もう1つは長いボンネットを持つ、フロントエンジン。ハイブリッドのV8が載る可能性もある。

今後3年間は継続生産される現行Fタイプ

「EVの場合、C−X75のようにバッテリーをクルマの中央にTかHの形状に搭載したレイアウトを取れます。エンジンを縦置きにしたミドシップも制作は可能です。スタイリングはドライブトレインを決められませんが、ドライブトレインはスタイリングを左右させます」

現行Fタイプの世界的な販売台数は6万2000台で、そのうちの70%はクーペ、残りの30%はコンバーチブルだという。アップデートを受けながら、さらに3年間は継続して生産される予定になっている。その上でカラムは次期モデルの開発もすぐに開発する予定があると、話してくれた。

マイナーチェンジに向けてニュルブルクリンクでテスト中のジャガーFタイプ・コンバーチブル
マイナーチェンジに向けてニュルブルクリンクでテスト中のジャガーFタイプ・コンバーチブル

新しいスポーツカーの開発で重要となるのがプラットフォーム。ゼロから設計すると多額の費用を要し、現在のジャガー・ランドローバー(JLR)社には負担が大きい。2018年に多額の赤字を生み出した同社としては、新しいレンジローバー・イヴォークやディスカバリー・スポーツ、ジャガーXEなどが、中国での不信や巨額投資の穴埋めをしてくれると期待している。

そんなジャガーで期待できるソリューションは、BMWとの連携だろう。既に将来のEVモデルのために電動ドライブユニットを協働で開発・製造することを発表している。さらにBMWは、JLRへ内燃エンジンの供給も示唆。BMWのFAARと呼ばれる前輪駆動プラットフォームも、ランドローバー製のコンパクトSUVへ展開することも可能となっている。

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