ロードテスト BMW X2 ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.10.05 11:50

結論 ★★★★★★★☆☆☆

初代X5で、BMWはSUVでもまともなハンドリングを実現できると、世界中に向けて証明してみせた。しかし、この新作パフォーマンスクロスオーバーは、おそらくかなりの難物だ。

パワフルながら効率的な小排気量エンジンと、一般的なホットハッチに似たアーキテクチャーは、このミュンヘンのメーカーにとっては比較的なじみの薄いテリトリーだ。本意ではないかもしれないが、商売上の理由から参戦せざるを得なかった、というところか。

Mディビジョンの多大なる努力は買うが、このクラスにおいては妥協点を間違えている。
Mディビジョンの多大なる努力は買うが、このクラスにおいては妥協点を間違えている。    LUC LACEY

ある意味、X2 M35iのパフォーマンスに文句はない。このパッケージングのハイライトとなる新型4気筒パワートレインは、力強く、洗練され、キャラクターも薄いというわけではない。

いっぽうで、低速域での乗り心地は、毎日の足とするにはハッキリ言って不十分だ。中速域になると、走りはスリルに欠けるが、この上なくクイックで、天候を問わずしっかりした足取りが根底にある。ファミリーカーでありながら、それほど濃厚ではないものの、状況次第でエンターテインメント性も発揮する。

X2 M35iは、このクラスでもっともエキサイティングなクルマだといってもいい。しかし、熟成度ではベストではない。しかも高価だ。この価格帯なら、もっと守備範囲の広いクルマが探せる。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン

欠点もあるが、これもアウディクプラも悪くない。とはいえ、個人的に選ぶならホットハッチのM135iだ。このクラスでクルマ選びをするのに、クロスオーバーをあえて指名する理由は限りなく小さい。

サイモン・デイヴィス

スロットルレスポンスは、個人的な嗜好からすればやや鈍いといえる。踏みはじめの4分の1ほどはまるで遊びなのかというくらいで、さらに踏み込まないと動き出さないのではないかとさえ思うほどだ。もっとも、それを過ぎれば良くできているのだが。

オプション追加のアドバイス

ヴィジュアル的には物足りないかもしれないが、おすすめは19インチ仕様だ。もちろん、アダプティブダンパーもセットになるMスポーツプラスパッケージを選びたい。これで乗り心地が改善されることを望むばかりだ。

改善してほしいポイント

・せめて舗装の劣悪な英国には、アダプティブダンパーを標準装備した仕様を用意してほしい。20インチ仕様はあまりにも硬すぎる。
・価格を考えれば、標準装備のさらなる充実を望みたい。少なくとも、バックモニターくらいはつけてほしい。
・ステアリングのアシストをもう少しだけ弱めてほしい。カジュアルな使い方のオーナーは、軽いほうがいいと言うかもしれないが、それにしても軽すぎる。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

BMWの人気画像