最高のプレミアム・コンパクトSUVは レンジローバー・イヴォーク vs ボルボXC40 vs アウディQ3

公開 : 2019.11.19 18:50  更新 : 2020.06.29 10:59

新型レンジローバー・イヴォークを、アウディQ3やボルボXC40と比較試乗してみました。高級かつ洗練された空間や走りが魅力のイヴォークに対し、北欧らしい落ち着きを見せるボルボも健闘しています。ただしQ3は敏捷性を追求するあまりやや粗さが目立つ結果です。

新型に生まれ変わったイヴォーク

今回のテーマはプレミアム・コンパクトSUVだ。新型レンジローバー・イヴォークに加え2台の主要なライバルであるアウディQ3ボルボXC40を用意した。生まれ変わったイヴォークは先代と似たデザインで、サイズも数ミリ程度しかかわっていないが、プラットフォーム刷新による実用性の向上や、マイルドハイブリッドの採用が魅力だ。

インテリアは大きく変わり、ヴェラール譲りの2枚のタッチスクリーンによりほぼすべての機能を制御することができる。ステリングにも先進的なスイッチが搭載されているが、わたしは路面から目を離さずに済む古典的なダイヤルが好みだ。

アウディも以前のダイヤルとボタン類を廃し、完全にタッチスクリーンに移行した。操作は比較的簡単だが、以前ほどの直感性はない。ボルボはiPadのようなタッチスクリーンで、左右にスワイプして操作する形式だ。

後席は3台ともに十分な室内空間が確保されているが、ボルボがベストのように思える。大人でも問題なく座れる広さが用意され、ウインドウのラインが低いことにより開放感が得られるのだ。

異なるアプローチの3台

内装は3台ともにプレミアムカーらしさを主張しているが、その手法は各々異なっている。アウディはアグレッシブな見た目でシャープなラインやアルミの表面を多用している。それに対してボルボは北欧らしく柔らかな印象で、明るく落ち着いている。豪華さの際立つレンジローバーは、ずっと車内にたいくなる質感の高さだが、エルゴノミクス的には気になる点もあった。

荷室に目を向けてみると、スペック上の容量だけではわからない違いが見えてくる。容量はイヴォークが最大のようだが、開口部の大きさや高さなどはアウディが有利で、より使いやすい荷室が用意されている。3台中最も容積の小さいボルボは、フロアを変形させることにより使いやすくなっている。

レンジローバー・イヴォーク
レンジローバー・イヴォーク

次は走りを見てみよう。3台ともに2Lのディーゼルで、スティールのモノコックを採用している。イヴォークのマイルドハイブリッドは非常にマイルドで、モーターのみで走行することはできない。180psを発生し、非常に静かなパワートレインだ。ギア比やエンジンのセッティングのせいか、低速域ではややレスポンスが鈍い印象を受けた。

ジャガーランドローバーの得意分野である乗り心地とハンドリングは良好だ。ステアリングもスムーズかつ正確で、レスポンスも適切だ。過剰な敏捷性はないが、衝撃が良く吸収され、洗練された乗り味になっている。公平に見てもキャビンの雰囲気やドライビングポジションは良好で、非常に完成度の高いクルマである。

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