【RS Q3のオシャレ担当】アウディRS Q3スポーツバック 実力も備えるSUVクーペ

公開 : 2019.12.19 09:50

RSのエンブレムを付けたアグレッシブなコンパクトSUVクーペ。抜群のスピードと操縦性を獲得していますが、すべてがライバルモデルを超えているわけでもなさそうです。英国で評価しました。

直列5気筒ターボエンジンは399ps

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アウディの高性能部門、アウディ・スポーツの成長が急進的だ。それを支えるコンパクトSUV兄弟が登場した。

先日ご紹介したRS Q3はわずかに広いリアシート空間が必要な人のため。RS Q3スポーツバックは、クーペ風のルーフラインによるスタイリッシュさを求める人のため。

アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション
アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション

読者の中にはクーペ風のSUVには興味がわかない人もいるかも知れないが、間違いなく市場での注目度は高い。英国ではRS Q3兄弟のうち、スポーツバックの販売数が60%を占めるだろうと予測されている。

Q3スポーツバックのルーフラインは通常のQ3より45mm低く、狙った通りのスタイリングをまとう。また専用のリアバンパーやディフューザー、リアウイングなども装備され、アグレッシブさは一層高い。2本出しの太いマフラーも迫力を追加する。

スタイリングは異なっていても、メカニカルな部分では双子と呼んでいいだろう。エンジンは初代RS Q3と基本的には同じの、現行のTT RSにも搭載される直列5気筒ターボエンジン。

だがアルミニウム製クランクケースと中空クランクシャフトなどを採用することで、先代と比較してエンジン単体で26kgも軽量化している。車重は1700kgに収まっており、ポルシェ・マカン・ターボやBMW X4 M40iという直接のライバルよりだいぶ軽い。

最高出力は399ps、最大トルクは48.8kg-mに増強されており、0-100km/h加速に要する時間は4.5秒。最高速度は249km/hでリミッター制限がかかるが、希望に応じて280km/hにまで引き上げることも可能だ。

高いトラクションで発進加速も強烈

パワーを受けとめるのは7速ATとパーマネント4輪駆動のクワトロ。最大で85%のトルクをリアタイヤへ伝える。標準のブレーキに不足を感じるなら、セラミック製にアップグレードも可能。実際にサーキットを走行するRS Q3はごく少ないとは思うけれど。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式でリアが4リンク式となる。スチール製のスプリングを採用し、標準のQ3スポーツバックより10mm車高が低い。

アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション
アウディRS Q3スポーツバック・スポーツ・エディション

アウディ・スポーツ・エディションの場合、ダイナミック・シャシーコントロールとしてアダプティブ・ダンパーも装備できる。最上位のトリムグレードとなるフォーシュプルングにはそれが標準装備だ。ホイールは21インチとなり、360度の映像を写すパーキングカメラに、アダプティブ・クルーズコントロールを含む、運転支援システムも搭載する。

5気筒ターボエンジンは、RSに相応しい爆発的な力強さを持つ。低回転域でのレスポンスは鋭く、7000rpmに切られたレッドラインまで勢いよく吹け上がる。

短い直線でも一気に追い越しは完了。4輪駆動のクワトロのおかげでトラクションも高く、停止時からの発進も強烈。加えてシングルターボのエンジンと比べて、パワーの出方には丸みがある。

環境基準に合わせて、ガソリン微粒子捕集フィルターが排気系統に追加され、従来楽しめたアクセルオフ時の破裂音などは鳴りを潜めてしまった。とはいえ、4気筒のBMW X2 M35iよりサウンド自体は刺激的ではある。

ステアリングホイールには、カスタマイズ可能なRSドライビングモードスイッチが追加された。快適性を重視した都市部向けの設定と、郊外のチャレンジングな道をアタックする設定とを、簡単に切り替えることができる。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記