ほぼ弱点ナシ? 新型 アウディQ3 堅実モデルチェンジ ウインカー/ワイパーのレバー省略

公開 : 2025.10.01 19:05

磨き込まれたスタイリングを得た新世代Q3 ウインカーやワイパーのレバー省略 売れ筋は1.5Lガソリンか 滑らかなプラグイン・ハイブリッド 扱いやすく自然な操舵感 UK編集部が試乗

従来以上に磨き込まれたスタイリング

アウディの小柄なSUVが、新世代へ交代を果たした。お値段は、英国では約3万8000ポンド(約752万円)からに設定される。スタイリングは、従来以上に磨き込まれた印象。Q5の弟として、安定した雰囲気を漂わせる。

ボディスタイルは、通常のワゴンに加えて、クーペ風のスポーツバックも設定される。ボディカラーは、ブラックやホワイトを含む9色から選べ、Sライン・グレードでは専用バンパーを獲得。アルミホイールは、18インチから20インチまで用意される。

アウディQ3(欧州仕様)
アウディQ3(欧州仕様)

ヘッドライトは、ウインカーを出すと変更先の車線を照らしたり、車線維持をグラフィックで補助してくれる、高機能なマトリックスLED。テールライトは36セグメントに分かれ、点灯パターンを変えられる。4リングスのロゴは、夜間に光る。

パワートレインはガソリンの他にディーゼルも選べ、合計5種類。デュアルクラッチATは7速が基本だが、プラグイン・ハイブリッドでは6速になる。

ウインカーやワイパーのレバー省略

インテリアで特筆すべきは、ウインカーやワイパーのレバーがないこと。ステアリングホイールの奥へ、質感の良いスイッチパネルが隠れている。慣れは必要ながら、数時間で使いこなせるようになるとは思う。あえて変える必要があったのか、疑問は残るが。

ステアリングホイールは、リムの上下がフラット。狭い交差点などでは、回しにくく感じるかもしれない。内装素材の質感は、アウディらしく概ね高いと感じた。シフトパドルは樹脂製で、ちょっと物足りないけれど。

アウディQ3(欧州仕様)
アウディQ3(欧州仕様)

メーター用モニターは11.9インチで、タッチモニターは12.8インチ。インフォテインメント・システムはアンドロイドがベースで、アップル・カープレイにも対応する。

荷室容量は、後席の空間を優先した状態で488L。前方へスライドすれば、575Lへ広がる。その背もたれを倒せば、1386Lを得られる。

売れ筋は1.5Lガソリン 滑らかなプラグイン

1番お手頃なエンジンは、1.5L 4気筒ガソリンターボの150ps。恐らく、これが売れ筋になるだろう。前輪駆動で、0-100km/h加速は9.1秒と充分に活発。広域ではややノイジーながら滑らかに回転し、気筒休止機能は密かに作動する。

その上がEA888型の2.0Lターボで、203psか264psを選べる。どちらも四輪駆動で、特に後者は中間加速が鋭く好印象。マイルドなSQ3のように、積極的に扱えるはず。

アウディQ3(欧州仕様)
アウディQ3(欧州仕様)

ディーゼルは2.0Lで前輪駆動。アイドリング時はガラガラ音がやや大きめに聞こえたが、走行時は静かに転じる。トルクフルで、安楽に運転できる。カーブでアクセルペダルを踏み込むと、トルクステアが感取されるほどたくましい。

プラグイン・ハイブリッドは、1.5Lガソリンに駆動用モーター、19.7kWhのバッテリーで構成され、総合272ps。充分以上に速く、モーターとエンジンの切り替えもシームレス。バッテリーの残量が少なくなっても、パワー低下は最小限に抑えられている様子。

記事に関わった人々

  • マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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