【比較試乗】スズキ新型ハスラー NA/ターボの走りは? 内装/安全装備を評価 

公開 : 2020.02.07 05:50  更新 : 2021.10.11 13:50

試乗:前輪駆動のNA

まずは売れ筋モデルとなるだろう、自然吸気エンジンを搭載する「ハイブリッドX(写真黄)」から試乗する。

駆動方式はFWDと4WDが選べるが、試乗車はFWD。車重は820kgと発表されており、これに大人3人プラス、カメラマンの荷物を搭載してスタートする。

ハスラー・ハイブリッドX(FWD/NA)
ハスラー・ハイブリッドX(FWD/NA)

遠目にもそれがハスラーであることが分かる特徴的なフロントマスク。ショルダーラインやその下のプレスラインでより力強さを演出したというエクステリア・デザインは、たしかにこのモデルのタフネスさを物語っているようだ。

運転席に身を委ねてドアを閉める。その時の音にもさらなる高級感が生まれてきた。そして驚かされたのがインテリアのフィニッシュ。さまざまな素材が使用されることでやや統一感に欠けるのは惜しいところだが、機能性や実用性といった点では最新の軽自動車たる魅力を感じる。

特に印象的だったのは、やはりセンターのディスプレイで、ついに9インチにまで拡大されたスクリーンには、さまざまな情報にアクセス可能であるほか、スマートフォンとの連携によって使い慣れたアプリを使用することもできるという。

なるほどハスラーは、さらに遊ぶクルマとしての魅力を大きく高めたわけだ。逆に考えれば、遊びの予定もなく独りで乗るハスラーは寂しい。

ハーテクトと電動化

搭載される新開発のR06D型エンジンは、ストレスなくハスラーを加速していく。中速域でエンジンノイズが高まる領域があるのはやや気になるが、パワーフィールは悪くはない。

マイルドハイブリッドが効果を発揮する領域が、より高速域まで拡大(従来型約85km/h→新型約100km/h)されたことなどで、さらにスポーティでストレスを感じなくなったのだ。

ハスラー・ハイブリッドX(FWD/NA)
ハスラー・ハイブリッドX(FWD/NA)

乗り心地にも十分な落ち着きがある。今回のシチュエーションは、ほぼこの新型ハスラーにとっては最大に近いウエイトを負担してのものということになるのだろうが、新開発されたプラットフォームや、ボディ全体の剛性を大幅に高めたことで、上質感を得ることができたのが理由としては大きいようだ。

静粛性も軽自動車の中では魅力的なように思う。

試乗:四駆のターボ

続いて試乗した「ハイブリッドXターボ(写真青)」は、さらにスポーティな印象を感じさせてくれるモデルだった。

パワーユニットの最高出力は64ps。これだけのパワーがあれば、高速道路などでその流れをリードして走ることも難しくはない。直進安定性はもちろん十分に満足できる域にあるが、残念ながらそのデザインが影響しているのだろう、試乗当日に吹いていた横風にはやや弱いという印象だった。

ハスラー・ハイブリッドXターボ
ハスラー・ハイブリッドXターボ

ステアリングはノンターボモデルと同様にとても自然で、そこからロールが発生して再び収束する一連の流れにも、不自然さや怖さを感じることはない。フロントガラス幅の拡大やリアクォーターガラスの追加によって前後左右の視界が広がったことも、ワインディングロードなどではドライバーには大きな魅力となるだろう。

そしてターボ車といえば、やはりスズキ・セーフティ・サポートの実力をチェックしなければならないわけだが、こちらもその核となるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の制御は、前走車の追従に関しては、どのようなシチュエーションでも十分に満足できるものだった。

ただし車線逸脱抑制については、やはりまだ今後の熟成が必要というのが正直な感想。さらなる進化に期待したい。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

スズキの人気画像