【アウディ・クワトロ40周年】選りすぐりの5台を乗り比べ 歴代最高のクワトロとは? 前編

公開 : 2020.04.17 11:40

アウディ・クワトロ誕生40周年を記念して、これまで登場したなかから選りすぐりの5台を集めました。生まれた時代背景やキャラクターも異なる5台ですが、それぞれが優れたモデルであることに変わりはありません。

もくじ

新たな解決策
駆動方式以上の意味
記憶に残る速さ
ポルシェによるエンジニアリング
惜しまれるコーナリング性能

新たな解決策

パイオニアだと見做されてきたモデルが、実際にはそうではなかったという例など枚挙に暇がない。

史上初の高級SUVの座はレンジローバーのものではなく、ルノー・エスパスもMPVの始祖ではなかった。

この3台のアウディの間には27年もの開きがある。クワトロによって、アウディは1982年と1984年のWRCコンストラクターズタイトルを獲得している。
この3台のアウディの間には27年もの開きがある。クワトロによって、アウディは1982年と1984年のWRCコンストラクターズタイトルを獲得している。

ホットハッチというジャンルを創り出したのはフォルクスワーゲン・ゴルフGTIではなく、史上初めて公道に舞い降りたターボモデルはサーブ99でもポルシェ911でも、BMW 2002でもない。

そして、アウディ・クワトロも史上初のハイパフォーマンス四輪駆動モデルではなかった。

1968年から1971年にかけて、ジェンセンFFが生産されていたからだ。

だが、先にご紹介したレンジローバーやゴルフGTIなどと同じく、アウディ・クワトロがハイパフォーマンス四輪駆動モデルという新たなテクノロジーの完成度を高め、ひとびとに知らしめた存在であることに間違いはない。

クワトロ以前の四輪駆動モデルでは、すべてのタイヤに駆動力を伝達するため、重く嵩張るトランスファーボックスが必要なことが問題だった。

こうした方法は実用性に劣るとともに高価でもあり、だからこそジェンセンFFの生産台数はわずか320台に留まることとなったのだろう。

そして、この問題に新たな解決策を発見したのがアウディのヨルグ・ベンジンガーだった。

彼は縦置きギアボックスの背後に設置したセンターディフェレンシャルを中空のシャフトで駆動すれば、このシャフトのなかを通した別のシャフトでフロントホイールへと駆動力を伝達出来ると気が付いたのだ。

その結果、トランスファーボックスが不要となり、史上初の現代的な四輪駆動システムの発明へと繋がっている。

駆動方式以上の意味

1970年代中盤にはすでにベンジンガーたちは開発作業に着手していたものの、彼らの努力がアウディ・クワトロと言う名のボクシーなクーペに結実するには1980年まで待つ必要があった。

以降アウディはつねに四輪駆動モデルをラインナップし続けており、いまや世界中の主要な自動車メーカーからもこうしたモデルが登場している。

この2台のホットなアウディにはまったく異なるキャラクターが与えられている。
この2台のホットなアウディにはまったく異なるキャラクターが与えられている。

だが、アウディにとって四輪駆動システムというものは、単なる駆動方式以上の大きな意味を持つこととなった。

1台のクルマとして始まったクワトロという名だが、すぐに自動車史に残る存在となり、BMWのMやメルセデス・ベンツのAMG同様の輝きを放つ、アウディのサブブランドへと発展している。

では、そんなクワトロのなかでもっとも偉大な1台とはどのモデルだろう?

候補は多いが今回ノミネート出来るのは5台だけであり、初代と最新のクワトロを外すわけにはいかないなか、選考は決して簡単ではなかった。

今回選ばれた5台に納得できないというひとびともいるに違いない。

だが、今回選んだのは初代クワトロの最終モデルと、いまやアウディを象徴する存在である狂気のエステートモデルの始祖となるRS2アバント、初代クワトロ以上にその革新的なデザインがスポーティーな四輪駆動クーペを身近な存在にした初代TT、そして初代R8と最新のRS6アバントだ。

確かにV10モデルやRS4、スポーツクワトロにSQ2も含まれていないが、SQ2が選ばれなかったことで落胆しているひとびとはそれほど多くはないだろう。

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